著者
盛合 秀 折橋 裕二 佐々木 実 沼田 翔伍 浅沼 尚 平田 岳史 淺原 良浩
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.168, 2021 (Released:2021-12-15)

本研究では檜川層の模式地である檜川流域およびその周辺域と西岸域(仏ヶ浦を含む福浦〜牛滝・野平の地域)に分布する珪長質火山岩および火砕岩について地質調査を行い,檜川層層序の再検討を行った.また,新たに縫道石山の石英斑岩についてU-Pb年代測定を行った.野平盆地は地形的に二重の盆状構造を呈しており,負の重力異常分布域(広島ほか,1989)からも示唆されることから,約 4 Maに浅海域で形成された「仏ヶ浦カルデラ」(新称)と約 2 Maに陸域で形成された野平カルデラ(根本・箕浦,1999)が重複していると考えられる.今回新たに得られた縫道石山・石英斑岩のジルコンU-Pb年代は4.7 Maであり,これら石英斑岩は仏ヶ浦カルデラ形成前のリング・ダイクと推定される.
著者
佐々木 実 根岸 寛 井上 正
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究では,申請者らの研究室で開発したパルスレーザー光を用いた過渡熱起電力効果(TTE)測定法の一層の発展を目指し,試料に静電場や磁場を印加することにより,過渡熱磁気効果,過渡ホール効果測定などを総合した新しい動的測定法として伝導キャリア分光装置を開発し,これを用いて高温超伝導体や種々のマルチ伝導キャリア系の伝導機構を解明する。本年度に以下のことを明らかにした。1.分光装置の改良を行うため,パルスレーザーとして波長可変(690-1,320nm)かつ繰返し発振可能な,Nd : YAGレーザーを励起光とするTi:サファイア・フォレステライト・レーザー光源,光学系,クライオスタット,検出系・制御系などを整備した。この測定系を用いて,現在テスト試料としてGaAs結晶のTTE測定を行い,波長を可変することによる興味ある新しい情報が得られつつある。2.1.nsまでの高速微弱信号を検出するためのデジタルオシロスコープ(購入)を導入して検出系の改良を行うとともに,ビームスプリッターを用いてレーザー強度を従来1/10以下に下げた。これらの改良により,p型GaAs結晶のTTE信号の数ns-数10nsにわたる高速過程が精度よく測定可能となった。3.最近注目されている種々の分子性導体のうち,DMe-DCNQI分子のシアノ基が銅金属イオンと配位結合して架橋したDCNQI-Cu錯体について,広い温度範囲にわたりTTE測定を行った結果,いくつかの緩和過程が観測され,フェルミ面等に関する興味ある情報が得られつつある。ただし,このTTE電圧は極めて微弱なため,デジタル・ストレージコープで200-500回積算操作を行った。4.更に,ターボ分子ポンプを用いた現有の高真空装置に電子銃を組込んだ電子ビーム蒸着装置を改良・整備し,現在これを用いてGaAsの基板上にテスト試料としてモリブデン酸化物の蒸着実験を試みている。
著者
岡本 丈夫 佐々木 実 伊藤 聡 竹田 幸市 Muhammad Ilhamdi Rusydi
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.312-317, 2014 (Released:2014-10-06)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Currently, there are many systems to support people with disability in their day to day activities. In this research, a robot arm system was designed, developed and controlled by use of an EOG (ElectroOculography) signal generated by the eye movement. The first part of the research was to establish the relationship between gaze position and EOG signal. Using Helmert transform method, the gaze position is estimated. The average error between real gaze position and estimated gaze position was ±4 cm. To recognize blink through EOG signal, Bell phenomenon was used. The blink recognition (voluntary and involuntary) experiment includes three occupants. The overall success rate of recognition of their blinks was more than 90%. Using this system long will make operators tired and results in erroneous experimental results. Thus, the switch from “control on” to “control off” was introduced in this system. The switch is activated when voluntary blink is detected. This will allow the system to improve the controllability.
著者
北山 真平 佐々木 実 伊藤 聡 安田 晴信 小嶋 俊史
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.318-323, 2014 (Released:2014-10-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Motions estimation utilizing EEG can develop devices supporting the elderly and disabilities. This paper investigated a possibility of limb motion estimation using Bereitschafts Potential (BP). BP means voltage variation of EEG just before motions. To estimate, neural network was introduced. Three types of processed signal were used as the input. The types of signal processing were FFT, increment and normalization. The best signal processing of them was normalization, and the accuracy rate was 89.0%.
著者
工藤 崇 宝田 晋治 佐々木 実
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.5, pp.271-289, 2004 (Released:2005-01-07)
参考文献数
56
被引用文献数
14 12

北八甲田火山群は11の小規模成層火山体から構成される. 本火山群は約40万年前から活動を開始した. 噴出中心の位置は時間とともに中央部に収束する傾向がある. 活動様式は溶岩流の流出に卓越し, 水蒸気噴火, ブルカノ式噴火およびストロンボリ式噴火による小規模な降下火砕物および火砕流を伴う. 27~17万年前の間には噴出量が0.1 km3以上の比較的規模の大きい火砕噴火を数回起こした可能性がある. 本火山群の総噴出量は15 km3, 長期的噴出率は0.04 km3/kyである. 噴出率は40~10万年前で比較的高く, 10万年前以降では低くなる. 噴出率および活動様式の時間変化から, 本火山群の火山活動のピークは40~10万年前の間にあったと考えられる. これらの時間変化はマントルダイアピルの冷却過程と調和的であり, ダイアピルモデルを仮定すれば, 本火山群の現在の活動は終息へと向かいつつある状態と解釈可能である.
著者
志和 資朗 松田 俊 佐々木 実
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.75-86, 2004-09-30 (Released:2019-04-06)

本研究では、EMDRによって不快な記憶が脱感作されるかを、精神生理学的な指標であるP3を用いて検討した。本研究の被験者は41名(女性26名、男性15名)である。まず、重度に不快な記憶をもつ31名の大学生の被験者を3つの群に割り当てた;EMDR群(n=10)では不快な記憶を想起しながら眼球運動を行い、Image群(n=10)では視覚刺激を凝視しながら不快な記憶の想起を行い、 EM群(n=11)では眼球運動のみ行った。軽度に不快な記憶をもつ10名の大学生の被験者を低SUDS(主観的障害尺度)群に割り当て、軽度に不快な記憶を想起しながら眼球運動を行わせた。本実験では、不快な記憶に関連する人物の姓(関連刺激)を刺激に用いて脳波の測定を行った。脳波の測定回数は2回で、眼球運動あるいは視覚刺激を凝視した前後に行った。関連刺激に対して生起したP3の振幅を、眼球運動あるいは視覚刺激を凝視した前後で比較した。実験の結果、EMDR群のP3振幅が有意に低下していた。また、SUDSの値は、 EMDR群と低SUDS群で低下した。この結果は、 EMDRの有効性を示すものといえる。
著者
佐々木 実
出版者
K&Kプレス
雑誌
月刊日本
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.62-64,73-74, 2020-11
著者
丸 猶丸 一戸 健司 石島 芳郎 佐久間 勇次 佐々木 実
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.83-87, 1966-04-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

従来実施が困難とされていたヤマドリ, ニッポンキジに人工授精を応用し, 次のような結果を得た。1. ヤマドリでは受精率90.1%, 対受精卵孵化率85.3%, 対入卵孵化率67.5%であった。2. キジの場合は受精率77.5%, 対受精卵孵化率87.1%, 対入卵孵化率67.5%であった。3. 週1回のマツサージ法による精液の採取量は, ヤマドリ, キジの何れにおいても0.02ml内外で, 採取直後の精子の活力は90%であつた。4. 繁殖期における産卵数は, ヤマドリ19個 (11~40個), キジ27個 (18, 35個) であった。5. 孵化に要する日数は, ヤマドリは24.5日, キジでは23.2日であった。以上の結果から, ヤマドリ, ニツポンキジの人工授精による繁殖が可能であることが立証された。
著者
佐々木 実 陳俊中 エドウィン 羽根 一博
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. E, センサ・マイクロマシン準部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A publication of Sensors and Micromachines Society (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.126, no.6, pp.241-242, 2006-06-01
被引用文献数
1

An exposure method for realizing fine patterning on three-dimensional samples is described. Three-dimensional sample requires the different viewpoint from that of the proximity patterning. Concave areas can not be geometrically approached to the mask. The fine patterning becomes difficult due to the broadening of the exposure light. In this study, the phase shift mask is combined with the well-collimated mercury lamp. 5 μm-width line pattern is stably obtained on the 200 μm-deep cavity bottom.
著者
羽根 一博 奥山 賢一 佐々木 実
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.1532-1536, 1998 (Released:2009-06-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

With an intense thermal variation, optical encoder yields measuring error because of the generation of nonlinear strain due to the difference of the thermal expantion coefficient between a glass scale and a metallic parts of machines. In this study, a method of using a grating which is directly manufactured on a metallic surface of parts of machines is proposed. Using this method, the thermal strain is made linear and the error becomes simplified to calibrate. Furthermore, it realizes a miniaturization of the system and improves its vibration-resistance. This paper shows the process of making a grating on a metallic surface by photolithography using some methods and ascertains the sufficient performance of this scale in an optical encoder.