著者
山本 啓三 宮島 佐介 コーシャル ラジンダー 山田 裕子 コーシャル マンジュリカ
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.7, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

" 我々は前回の講演で高額所得のランキングがベキ乗を示す簡単なモデルを提案した。今回はそのモデルがどうしてベキ乗を示すのかについて検討した。我々はこのモデルがベキ乗を示すのはフラクタル性によるものと考えている。そのフラクタル性を示すの原因はその機構内に入れ子構造が存在するためと考えている。そこで、このモデル内にどのような仕組みで入れ子構造が構成されるのかを調査した。システム内の構成員が現在の所有額になるまでに何人の人たちと競争したか。その競争に参加した者を一つのtree構造のまとめ、そのtreeの大きさ(参加者数)とその件数についてのフラクタル性を調査することにより、構成されている入れ子構造を見つけることができた。 treeの大きさ=(順位)^-1.96 , treeの数=(treeの大きさ)^-1.57"
著者
平松 章 コラコット プラチュムラク 渕田 孝康 村島 定行
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.165, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

画像の可逆フラクタル表現の研究に関連して、離散画像の画素値をその解とするある種の連立方程式が現れた。フラクタルは画像の自己相似性を利用して画像を再現するがその際画像の中にドメインとレンジという縮小写像の関係にある領域対を探す。レンジで画像全体を蔽うようにし、それぞれのレンジに対して最適のドメインを探し、繰り返しドメインをレンジにコピーすれば元の画像ににたものが再現することは知られている。可逆フラクタル表現の実現には各画素値をアトラクターとする連立方程式が必要で、コピーを繰り返して画像を再現させるフラクタルの手法に合わせて、逐次近似型の解法を採用する。講演ではこの種の連立方程式の作り方と性質、画素値への収束の様子を述べ、可逆フラクタル表現の実現法、画像の可逆フラクタル表現が可能であることの意味などを議する。
著者
三浦 良造 藤田 岳彦
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.121, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

従来のバリアオプション(ワンタッチオプション)では、原資産があるバーにぶつかればすぐに「契約消滅驍烽A人工的金融操作で空売りをし、オプションライターが支払いを免れるような不正がある程度可能である。そこで、ストッピングタイムτを一つ固定し、τ以前を「安全領域」(そこでは、デリバティブは契約消失なし)、τ以降満期までを「警告領域」(契約消滅の可能性あり)とする。必ずしもストッピングタイムではないτより大きい値をとる確率変数σ=σ(τ)をとってきて、σ以降満期までを「ノックアウト領域Aデリバティブがそこにいれば、契約消滅とする。この新しい枠組みを用いればバリアオプションの設計は以前より Flexibleになると考えられる。このような枠組みにあるオプションを]戸っ子オプションA講演ではこの範疇にあるいろいろなオプションの例とその価格付けを紹介する。
著者
高安 秀樹
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.99, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

本講演では、経済物理(エコノフィジックス)の研究最前線の様子をレヴューする。需要の安定均衡が物理的にはありえないことなど、裁定機会が存在すること、ミクロな市場価格の変動からマクロなインフレーションの時間発展の方程式を導出することなど、これまでに得られている基本的な成果を紹介する。また、応用研究の現状を踏まえて、今後の展望を議論する。