著者
渕田 孝康 森 邦彦 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.927-935, 2000-09-25
被引用文献数
10

2次元離散平面上に存在する互いに重複しない一般図形を生成元とする離散ボロノイ図を, 波面法を用いて高速に作成する手法を提案する.波面法は, 離散平面内に一様ダンラムに母点が存在する場合, 母点数によらずほぼ一定時間で離散ボロノイ図を作成するアルゴリズムであり, 一般図形を母点とする場合でも, 全く変更しないで適用可能である.しかし, 一般図形を構成するすべての点を母点とみなして波面法を適用すると, 領域拡大の判定時に重複する領域が多く, 無駄な処理時間を要してしまう.本論文ではこの無駄を省き, 一般図形ボロノイ図をより効果的に波面法で作成するアルゴリズムを提案する.また, 計算機シミュレーションにより, その有効性を確認する.
著者
平松 章 コラコット プラチュムラク 渕田 孝康 村島 定行
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.165, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

画像の可逆フラクタル表現の研究に関連して、離散画像の画素値をその解とするある種の連立方程式が現れた。フラクタルは画像の自己相似性を利用して画像を再現するがその際画像の中にドメインとレンジという縮小写像の関係にある領域対を探す。レンジで画像全体を蔽うようにし、それぞれのレンジに対して最適のドメインを探し、繰り返しドメインをレンジにコピーすれば元の画像ににたものが再現することは知られている。可逆フラクタル表現の実現には各画素値をアトラクターとする連立方程式が必要で、コピーを繰り返して画像を再現させるフラクタルの手法に合わせて、逐次近似型の解法を採用する。講演ではこの種の連立方程式の作り方と性質、画素値への収束の様子を述べ、可逆フラクタル表現の実現法、画像の可逆フラクタル表現が可能であることの意味などを議する。
著者
中村 博文 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1559-1563, 1997-09-25
参考文献数
16
被引用文献数
3

英数字列をひとまとまりとみなしてデータ圧縮をする効果を確認するために, 英数字列を少数文字の文字列で表し直して圧縮するという擬似的な方法で実験を行った. compress, 低次で使用したcomp-2, Gageの方法で, 英文ファイルやソースプログラムファイルについて効果があった.
著者
渡辺 貴史 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.114-122, 1996-03-25
被引用文献数
19

ボロノイ図は勢力範囲図とも言うべきもので情報処理のさまざまの分野で重要な役割を果たしている. ボロノイ図を描く方法は母点間の垂直二等分線を描くのが一般的である. この方法では母点数をNとしてO(N)の計算時間がかかる. ここでは計算機画面上で多数の点を配置し, それぞれの点のボロノイ領域を色分けするアルゴリズムを提案する. この方法は与えられた母点に互いに異なる色を割り当てた後, その母点から近い画素順にどの母点の勢力範囲であるかを示す色を置いていくことで実現する. 既に色が置いてある場合はパスする. すべての画素にどの母点の勢力範囲であるかを示す色を置き終わるとボロノイ図が出来上がる. このアルゴリズムは整数演算に基づいているので丸め誤差などは影響しない. またボロノイ図の作成時間は母点の数に依存しない. 母点数2から4000の範囲で調べた結果, ほぼ一定の30秒であった. 距離を計算して, 最近接の母点を決定するS.K.Parui等の方法と比較すると, 母点数が10を超えると, ここで提案の方法が速くなることがわかった.