著者
福井 昌則 石川 岳史 黒田 昌克 掛川 淳一 森山 潤
出版者
日本情報科教育学会
雑誌
日本情報科教育学会誌 (ISSN:21890668)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.31-41, 2019 (Released:2021-02-01)
参考文献数
23

本研究の目的は,高校生のプログラミングに対する様々な意識と創造的態度との関連性について明らかにすることである.プログラミング教育では,プログラミングに対する様々な意識と創造性を高めることが重要であると指摘されているが,それらの項目における性差やそれらの関連性については明らかにされていない.そこで本研究ではこれらを明らかにするために,公立高等学校3校の1年生226名を対象に調査を実施した.その結果,創造的態度の柔軟性・分析性・進取性の因子が高い生徒は,プログラミングに対する様々な意識の各項目の平均値が有意に高く,これらの間に正の相関が認められた.またこの傾向には性差が見られ,創造的態度およびプログラミングに対する様々な意識全項目において,男子の平均値は女子よりも有意に高かった.よって,性別による意識の違いを踏まえ,柔軟性・分析性・進取性を高めるような実践構築の重要性が示唆された.
著者
笹川 清喜
出版者
日本情報科教育学会
雑誌
日本情報科教育学会誌 (ISSN:21890668)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.61-70, 2017 (Released:2020-03-27)
参考文献数
23

共通教科情報・科目「社会と情報」の「まとめの学習」において,Webページ作成を通して,ウェブアクセシビリティの取り組みの一つである画像タグにAlt属性を設定する代替テキストの提供方法を習得させる指導を行った.この結果,情報を提供する立場の体験から高齢者や障がい者を含め様々な閲覧者の存在を想像させ,Webページの閲覧者への配慮の意識を高める効果を確認できた.また,Webページ作成は,作成の場面で掲載する画像が適切かどうかを深く考えさせるため,Web上で写真を扱う際の注意点を意識させる情報モラル教育にも有効であることが示唆された.