著者
福井 昌則 黒田 昌克 野村 新平 山下 義史 森山 潤
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-11, 2022 (Released:2023-09-24)

本研究の目的は,若者(高校生,大学生)のデジタルゲームに対するイメージ尺度を開発し,その信頼性と妥当性 を検討することである.予備調査として,デジタルゲーム開発を専門とする大学生 112 名に予備調査を行い,デジタルゲ ームに対するイメージを測定する項目として 115 項目を抽出した.その 115 項目を用いて,関西圏の高校生,大学生 360名を対象に調査を実施した.その結果,デジタルゲームに対するイメージとして,「個人的・社会的悪印象」,「特別体験・肯定的印象」,「スキル向上」,「広範的コミュニケーション」,「健康被害・依存誘発」,「思想的悪影響」,「運動不足」の 7因子(74 項目)が抽出された.
著者
黒田 昌克 森山 潤
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.169-172, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
5

本研究では,全国の小学校教員を対象にプログラミング教育の課題や教員研修に対する意識を調査した(n =522).その結果,全体の92.0%がプログラミング教育に関する自己の知識・理解の不足に課題を感じていた.教員研修で得たい情報としては,81.4%がモデル授業の実践事例が必要と回答した.しかし,現任校の情報機器整備の不十分さに課題意識を持っている小学校教員がプログラミング教育のカリキュラム案に必要性を感じる傾向が強いなど,教員研修の内容に対するニーズは,課題意識の持ち方によって異なっている傾向が示された.
著者
福井 昌則 石川 岳史 黒田 昌克 掛川 淳一 森山 潤
出版者
日本情報科教育学会
雑誌
日本情報科教育学会誌 (ISSN:21890668)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.31-41, 2019 (Released:2021-02-01)
参考文献数
23

本研究の目的は,高校生のプログラミングに対する様々な意識と創造的態度との関連性について明らかにすることである.プログラミング教育では,プログラミングに対する様々な意識と創造性を高めることが重要であると指摘されているが,それらの項目における性差やそれらの関連性については明らかにされていない.そこで本研究ではこれらを明らかにするために,公立高等学校3校の1年生226名を対象に調査を実施した.その結果,創造的態度の柔軟性・分析性・進取性の因子が高い生徒は,プログラミングに対する様々な意識の各項目の平均値が有意に高く,これらの間に正の相関が認められた.またこの傾向には性差が見られ,創造的態度およびプログラミングに対する様々な意識全項目において,男子の平均値は女子よりも有意に高かった.よって,性別による意識の違いを踏まえ,柔軟性・分析性・進取性を高めるような実践構築の重要性が示唆された.
著者
福井 昌則 大立 博昭 黒田 昌克
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.55-59, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究の目的は,ゲームの利用方法,および幸福感の関連性が,ゲームプレイ時間によってどのように異なるかについて構造的に把握することである.1 日のゲームプレイ時間(1 週間平均),「ゲームの利用と満足」尺度,「日本版主観的幸福感」尺度を準備し,私立大学情報系学部の2 年生256 名対象に調査を実施した.「ゲームの利用と満足」の各因子と幸福感の関連性について,プレイヤ別に多母集団同時分析を行ったところ,ライトゲーマとヘビーゲーマでは,幸福度に関与しているゲームの利用と満足の因子に違いがあることが認められた.
著者
黒田 昌克 森山 潤
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.43-54, 2018 (Released:2018-04-14)
参考文献数
14

本研究では,全国の小学校教員を対象にプログラミング教育の意義の感じ方や育成を目指す資質・能力,背景となる社会観に対する意識などを調査した(n=522)。その結果,「プログラミング的思考」,「さまざまな現実的な問題をコンピュータで解決できるような形式の問題に変換する力」,「モデル化やシミュレーションができるように,データを変数として扱えるようにする力」等の資質・能力(思考力等),「コンピュータの働きをより良い人生や社会づくりに生かそうとする態度」等の資質・能力(態度),「今後の社会において,コンピュータを作業の効率化を図るために使うより,創造的な活動に使うことの方が重要になる」等の社会観がそれぞれ小学校教員のプログラミング教育に対する意義形成に寄与していることが明らかになった。