著者
山本 桜
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A13, 2022 (Released:2022-09-13)

本発表では、身体的性別を変更するために身体加工を追求してきた人々がそれらを中止するという、脱トランスの営為を対象にする。当事者たちは、身体的性別に対して自らが感じてきた違和感を度々内省し、自己や自己の身体についての語りを再構成してきた。発表者は、彼らの当時的/遡及的語りを分析することで、彼らの身体違和がどのように形成されてきたのか、および身体と自己との関係がどのように変遷してきたのかを論じる。
著者
杉田 映理
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A11, 2022 (Released:2022-09-13)

本報告では、コロナ禍の経済的影響として「生理の貧困」が2021年になって社会的に注目されたことをきっかけに、日本でも広がり始めた生理用品無償配布について考察する。現在、生理用品無償配布は、経済的困窮者の支援だけを目的とした施策となっているが、これまでの海外の動向および本研究におけるトイレ内無償提供の有効性の検証を通じて、生理用品無償配布の目的を問い直したい。
著者
李 婧
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.C06, 2022 (Released:2022-09-13)

日本の都市祭礼の中には、過去から持続する伝統的なものに限らず、現代になって「伝統」の名のもとに新しく創られたものの、特に1970年代以降は多数見られる。本発表はその一事例である東京都北区王子で実施されている「狐の行列」という都市祭礼を取り上げ、祭礼の現場における人々のパフォーマンスと物の使用に焦点を当てながら、新しく創られた都市祭礼における持続性について考察するものである。
著者
諸 昭喜
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 日本文化人類学会第56回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.A05, 2022 (Released:2022-09-13)

月経問題は、韓国でフェミニズム議論と女性の性・リプロダクション健康権の問題として取り上げられている。低所得層の女子中学生が、靴のインソールを生理用品として使った事件が引き金となり、月経権の議論が巻き起こった。また、生理用ナプキンに発癌性物質が検出された事態が女性の健康権問題につながった。このような一連の事件は、女性の健康に対する認識、制度などに対する議論を巻き起こしている。