著者
渡辺 信
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 46 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.471-474, 2022 (Released:2023-03-07)
参考文献数
5

科学教育は生涯学習へと延長できるかを問う.この生涯学習を考えるにあたって,生涯学習の姿を眺め,どのような生涯学習を目指すのかを検討する.工業社会から情報社会へと過度期な現在,日本の教育・学習はどの方向に進むのかを眺め,情報社会に必要な生涯学習を見たときに,いかに日本の教育制度が工業社会のままで新しい社会を目指すことに乏しい姿を見ることによって,どのような未来の教育の在り方を眺める.このような社会の改革の中で科学教育は生涯学習 Out School に進めるかを否定的な立場に立たざるを得ない方向から眺める.新しい社会には新しい学習が必要である.
著者
佐久間 直也 中村 大輝
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 46 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.499-502, 2022 (Released:2023-03-07)
参考文献数
7

地球規模の環境問題はグローバル社会における重要な課題の1つとなっており,問題の解決に向けて国家の枠を超えた連携が求められるようになってきている.しかしながら,環境教育においては環境問題を個人の道徳問題として扱う傾向があり,社会の構造的な問題に目を向けていない.このような状況の改善に向けて欧米では,環境問題を個人の問題としてだけではなく,社会的・政治的問題として扱い,社会に参画して責任ある環境保護行動を行う市民を育成することを目指す環境シティズンシップ教育が普及しつつある.本研究では,環境シティズンシップの考え方に基づき,中学生が環境問題について学習した後で,それらの問題のステークホルダーを特定し,問題の改善に向けた提案・交渉を行う活動を実践した.その結果,一連の学習を通して生徒の環境問題への興味だけでなく,問題の現実的な解決に向けて行動を起こそうとする態度が育成されることが示唆された.