著者
齋藤 和樹 前田 潤
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.14, pp.29-34, 2009

2009年4月6日早朝に発生したイタリア中部地震後のイタリア赤十字社(IRCS)およびラクイラ大学で行っている心理社会的支援について、現地視察調査を行った。IRCSでは、国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)の心理社会的支援プログラムとは別の独自の心理社会的ケアを行っていた。それらのいくつかは、「ユーモア」に基づいたものであり、「ドクトル・クラウン」という存在もあった。IRCSの心理社会的支援は、災害の生存者に対してのみならず、救援者に対しても行われていた。IFRCには、心理社会的支援のための十分な資器材がそろっていた。ラクイラ大学が行っていたサバイバーの精神的健康に関する調査には、グローバルスタンダードになっているGHQやIES-Rなどが含まれていた。
著者
廣渡 太郎
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.14, pp.53-60, 2009

日本放送協会(NHK)制作のテレビ番組「英語でしゃべらナイト」内の1コーナーとしてスタートした「パックン英検」は、ある英単語の語義説明を英語で聴き取り、その英単語が何かを答えるというリスニングクイズである。本資料は、「パックン英検」に関して、番組制作上のねらい、および、出題の作成方法を明らかにするとともに、日本人英語学習者を対象にした英語授業において、「パックン英検」を補助教材として活用するアイデアの紹介を目的とする。
著者
松橋 朋子 村上 照子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.16, pp.11-18, 2011

本研究は、高齢者施設における災害対策の実態、災害介護教育に関する意識を把握することを目的とし、A県内の特別養護老人ホーム96ヶ所の介護職員480名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。263名から回答が得られ、以下のことが明らかになった。1.被災経験がある人は36.5%であり、災害の種類としては地震が多かった。2.91.6%の施設が年2回以上の防災訓練を実施していた。訓練の種類としては「避難訓練」「災害種類別防災訓練」「消火訓練」「通報訓練」「非常食調理訓練」「救護訓練」であり、97.3%が訓練が実際に活用できると答えていた。また、防災マニュアルについては91.3%の施設で整備されていたが、14.6%がマニュアルを読んでいなかった。3.防災体制・設備の把握状況では「災害発生時の連絡体制」「避難経路」について認知度が高く、介護職歴で有意な差は見られなかった。4.災害や防災に関して感じていることとしては、「不安」「訓練・日頃の備えの必要性」「防災意識の向上」の順に多くあげられた。5.介護職員の79.1%が介護福祉士養成施設における災害介護教育の必要性を認識していた。介護職員の73.8%が高齢者施設における災害介護研修の必要性を認識していたが、災害に備えた研修を受講していたのは27.8%であった。
著者
松橋 朋子 村上 照子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.16, pp.37-44, 2011

本研究は、高齢者施設における災害(地震)時の対応、具体的な実践内容を把握することを目的とし、新潟県中越沖地震にて緊急的に避難者を受け入れた特別養護老人ホーム及び福祉避難所となった特別養護老人ホームの2ヶ所の施設管理者を対象に半構成インタビューによる面接調査を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。1.利用者及び避難者へ対しては、安全な一時的待機場所へ避難・誘導し、ボランティアと共に日常生活支援を中心に行っていた。ボランティアについては受け入れニーズの把握とコーディネイターの必要性が示唆された。2.職員の勤務体制・緊急招集については、マニュアルの整備に加え状況に応じた判断が求められ、メールを活用した連絡が有効であった。3.状況に合わせた実践的な防災訓練が実施されており、訓練に当たっては施設の構造を踏まえた避難方法及び職員の配置の必要性が示唆された。4.災害時に介護者に必要とされる能力については「状況に合わせた創意工夫のあるケア」「利用者の話をよく聴く姿勢」があげられた。5.施設における災害対策の課題としては、「防災体制の整備と防災意識の向上」「被災経験及び実践内容の伝承」「情報の入手及び共有化の体制整備」「職員のケア」があげられた。福祉避難所の課題としては、「福祉系トリアージの確立」「コーディネイターの養成」「平時からの福祉避難所の選定」があげられた。