著者
高松 信樹 下平 京子 今橋 正征 吉岡 龍馬
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.69-76, 1981-03-30 (Released:2016-11-17)

Powdered granitic rocks were allowed to react with distilled water under various conditions to estimate the formation mechanism of natural waters from granitic area and to discuss on the factors influencing the chemical composition of the waters. The experimental results indicate that the chemical composition and pH of the waters are influenced by the kind of granitic rocks, the water/rock ratio and PCO2. The alkaline ground waters may result from the reactions of granitic rocks with the waters having low PCO2. The ground waters from granitic areas where CO2 from underground occurs abundantly are neutral or weak acidic, and their major species are Na+, Ca2+, HCO3-. The proportion of the components is nearly equal to that of the surface waters. The percolation time of ground waters in granitic areas was inferred to be relatively short because of the high permeability of water into granitic rocks and low content of dissolved species. Accordingly, the metastable alminosilicates produced during the incongruent dissolution of granitic rocks, may control the chemical composition and pH of the ground waters.
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集 日本陸水学会第69回大会 新潟大会
巻号頁・発行日
pp.191, 2005 (Released:2005-09-21)

天然には、様々な環境下において青色を呈する天然水が存在している。青色天然水として知られている福島県裏磐梯の五色沼、群馬県中之条の四万湖および大分県別府の海地獄は共に青色を呈している天然水として知られている。青色天然水の呈色については1)鉄イオン, 銅イオンによる長波長光吸収機構2)微粒子による短波長可視光散乱機構 3)水そのものによる長波長光吸収機構が挙げられる。この3地点の共通点としては、硫酸酸性水にNaCl(食塩)型の温泉水が混合していることが挙げられる。本研究では水文学的調査、色彩学的調査および種々の呈色因子の同定から青色呈色がどのような物質により、どのような機構で生じているのかを解明することを目的とした。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.158, 2003

群馬県四万湖の色彩測定,水質分析,呈色因子物質の分析を行い,四万湖の青色呈色因子について考察した。四万湖水中には二価の鉄イオンや銅イオン濃度が極めて低いことから,青色呈色の原因がこれらイオンによる光の吸収によるものではないと判断された。また,四万湖の懸濁物の赤外吸収スペクトル解析,蛍光X線分析,走査型電子顕微鏡による観察から,四万湖水中には,粘土鉱物の前駆物質であるアロフェンが存在しているこが確認された。アロフェン粒子の直径は約40nmであり,この粒子に太陽光の光があたることによりレイリー散乱が生じ,青色に呈色していると結論された。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.191, 2005

天然には、様々な環境下において青色を呈する天然水が存在している。青色天然水として知られている福島県裏磐梯の五色沼、群馬県中之条の四万湖および大分県別府の海地獄は共に青色を呈している天然水として知られている。青色天然水の呈色については1)鉄イオン, 銅イオンによる長波長光吸収機構2)微粒子による短波長可視光散乱機構 3)水そのものによる長波長光吸収機構が挙げられる。この3地点の共通点としては、硫酸酸性水にNaCl(食塩)型の温泉水が混合していることが挙げられる。本研究では水文学的調査、色彩学的調査および種々の呈色因子の同定から青色呈色がどのような物質により、どのような機構で生じているのかを解明することを目的とした。
著者
高松 信樹 松本 源喜 中谷 周 鳥居 鉄也
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.103-112, 1988-07

南極南ビクトリアランド・ドライバレー地域・ラビリンス(77°33′S, 160°50′E)の池水中の塩起因を明らかにするため, LiとB含量を測定した。また, これらと比較するため, ドライバレー地域のバンダ湖, ドンファン池, フリクセル湖およびボニー湖ならびにベストフォールドヒルズのディープ湖とエース湖についても同様の測定を行った。ラビリンスの淡水および塩水中のLiおよびBの濃度および濃縮係数などより, 池水の化学成分は海水や熱水起源ではなく, おもに風送塩に起因するものであることが明らかになった。これらのことはラビリンスの塩水池が風送塩を含む氷河氷や雪の融水が凍結濃縮を繰り返すことによって形成されたとする考えを支持している。塩化物イオン含量の増加とともにB/Cl比が減少することから, Bは凍結過程で氷に移行し, 蒸発によって徐々に揮発していくと考えられる。