著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW &ECONOMICS (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.30, pp.11-24, 2019-03-29

本稿は、ポケモンGOの社会学的研究の一つであり、ポケモンGOのインタビュー調査に基づいて、得られた知見を紹介している。まずインタビュー調査の概要を紹介した上で、ライングループでの役割についての4つの類型を紹介し、分析している。そして、筆者が過去に行ったフィールドワークやインタビュー調の結果から、トレーナーのモンスター化という現象を取り上げ、論じている。モンスター化には、ゾンビ化、クリチャー化、オートマトン化、ニンジャ化の4つのタイプがあることを紹介し、ポケモンGO内だけの現象ではなく、現代社会にも当てはまる現象であることを提起している。
著者
仲宗根 京子
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW &ECONOMICS (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.22, pp.27-42, 2014-11-30

2011年の本件控訴審判例(注1)は,一般消費者が沖縄県で織られたものと認識するようなミ ンサー織等の表示をして販売していることが,不正競争防止法2条1項13号の定める被告商品の 原産地及び内容について誤認させる不正競争に当たり,これによって原告の営業上の利益が侵害 されたとして,3条に基づき,同表示を付した被告商品の販売に係る差止め等を求めるとともに, 4条に基づき,200 6年に損害金の支払を認めた原審(注2)の結論を維持したものである。本稿 では,この判例を基に,地方色豊かな工芸品に関わる誤認惹起行為について,「原産地」の意義や 法益侵害性の判断に関して,若干の考察を試みるものである
著者
川﨑 和治
出版者
沖縄大学法経学部
雑誌
沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW &ECONOMICS (ISSN:13463128)
巻号頁・発行日
no.10, pp.57-132, 2008-03-31

1999年以来、「司法制度改革」が行われている。これは、利用者である国民の視点から、司法の基本的制度を抜本的に見直そうというものであり、裁判制度自体や国民に対する司法サービスの提供など、多くの改革が進められてきた。その中で、いわゆるADR機関や法テラスの創設によって、国民の権利救済機関へのアクセス強化が図られたことは、大いに歓迎するところである。しかし,かねてより司法過疎が問題となっている中で、いわゆる「ゼロワン地域」に対して、いくつかの制度的支援策が講じられてきたが、とくに島嶼を多く抱える地域にあっては、ゼロワン地域の枠からは外れるものの、今なお「司法過疎」の状況にある地域も多く存在している。本資料は、全国の裁判管轄区域毎に居住する人口と、同区域の実務法律家(弁護士・司法書士)数を集計し、一人の実務法律家が受け持つ担当人口を算出したものである。もとより、実務法律家の活動が、その所属地域を超えて行われていることは承知している。しかし、本資料で集計した数値は、司法過疎地域を抽出するための一応の目安となるのではないかと考えている。本資料の分析については今後の課題としたい