著者
小林 亮
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.18, pp.19-32, 2019-03-31

地球市民教育(GCED: Global Citizenship Education)は,国連の専門機関ユネスコがESDとともに主幹教育プログラムとして位置づけている重要課題である。本論文は,認知面,社会情動面,行動面で地球市民性に求められる能力を分析しながら,地球市民教育が多元的アイデンティティの育成を通じて,視点取得と対話のスキルに基づく国際的な葛藤解決能力の開発に向けた効果的なアプローチであることを論証することを目的としている。日本人としての国民アイデンティティと地球市民アイデンティティが矛盾なく共存しうるだけでなく,グローバル人材として必要な複眼的思考の獲得のために自己の多元性が有効であることが議論された。
著者
松本 由美 大友 美奈
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.2019, pp.69-87, 2020-03-31

小学校3年生国語科で日本語の音韻構造のため指導される訓令式ローマ字は,アルファベット文字の導入として外国語(英語)活動にも資するが,一方で英語の表音と一致しないローマ字の表音や,子音時に必ず母音時を付加することが,英語らしい発音を阻害することもある。そこで,ローマ字指導の利点を生かしつつ,発音の弊害を解消する指導案を提案して英語活動の一助としたい。
著者
寺本 潔
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.2016, pp.101-116, 2017-03-31

観光という事象を総合的学習や社会系科目に学習課題として導入することの意義について実証的に出前授業を通して明らかにすることが,本稿の目的である。観光は,沖縄県においてとりわけ重要な産業になっており,那覇市に位置する高校においては普通科の内容としても扱うに相応しい内容と思われる。折しも,スーパー・グローバル・ハイスクール(SGH)の指定を受けている高校において提案性に富む実験的な授業が実施できた。今回,マーケティング基礎の内容を含む教材や地域ストーリーづくりの演習問題の開発により,観光教育は今後の沖縄県における人材育成としても大切なテーマであることが確認できた。