著者
磯部 大吾郎
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.105, 2008 (Released:2008-09-01)

2001年9月のテロでNY世界貿易センタービルのツインタワーが完全崩壊するという悲劇が起きた.FEMAおよびNISTがまとめた報告書によると,ジェット燃料によって引き起こされた火災が完全崩壊の主要因であるとしているが,火災が起きていなかったとされる下層部も含めて倒壊してしまった直接的な要因については詳細な考察や検討がなされておらず,未だに多くの疑問が残っているのが現状である.筆者らは,接合部の脆弱性が火災下で建物の構造強度に与える影響,および航空機の衝突時に発生する衝撃力が建物の構造強度に与える影響についてASI-Gauss法を用いた動的崩壊解析手法により多角的に調査を行っている.その中で,いくつか興味深い結果が出たのでここに報告する.
著者
藤原 宏志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.195, 2008 (Released:2008-09-01)

本研究では,MR Elastography による生体組織の弾性率の再構成逆問題に対し,積分型の同定公式を提案し,実測データへの適用例を示す.生体弾性率の同定は,初期癌や細胞組織の壊死に対する非侵食検査法などへの応用が考えられており,MRE を用いた再構成手法としては short wave length 法,数値微分法が提案されている.本研究で提案する積分型公式は,MRI により得られる先験情報をもちい,数値計算が高速であること,および 3 次元データへの適用が容易であるなどの特徴を有する.
著者
杉本 剛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.176, 2008 (Released:2008-09-01)

ペンギンは海上に躍り出る「イルカ跳び(porpoising)」をすることがある。水の抵抗に比べれば空気抵抗は著しく小さいので、エネルギーの節約につながる運動形態だという指摘がある。一方、呼吸する際には水面近くを泳ぐ必要があるが、そうすると造波抵抗が生じるので、いっそのこと空中に跳び出て呼吸をすれば、速度が落ちないとの主張もある。また、空中に跳び出るのは、捕食者の有無を確認するためだとの見方もある。本研究では、古典的翼理論に基づいて、「イルカ跳び」運動方程式を提案し、エネルギー収支を再考する。速度の時間平均が同一ならば、一定のパワーで泳ぎ続けるほうが、「イルカ跳び」するよりもパワーを消費しないという常識的結論に至る。