著者
杉本 剛
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-11, 2013-07-17 (Released:2013-08-09)
参考文献数
39
被引用文献数
1

人間の脳のメカニズムを参考とした認知モデルに,コネクショニストモデルがある。本研究は,理科教育学の研究にコネクショニストモデルの理論・手法の導入を必要とする背景・利点を示し,これまで理科教育学で行われてきたコネクショニストモデルの理論・手法を導入した研究をまとめた。人間の脳は,並列分散処理の情報処理機構である。コネクショニストモデルは,並列分散処理の情報処理の方式を取り入れている。理科教育学の研究にコネクショニストモデルの理論・手法を導入することは,これまで研究が進んでいない観点・手法の研究を可能にする。そしてそれは,理科教育学の研究の進展に貢献すると考えられる。
著者
杉本 剛
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第57回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.176, 2008 (Released:2008-09-01)

ペンギンは海上に躍り出る「イルカ跳び(porpoising)」をすることがある。水の抵抗に比べれば空気抵抗は著しく小さいので、エネルギーの節約につながる運動形態だという指摘がある。一方、呼吸する際には水面近くを泳ぐ必要があるが、そうすると造波抵抗が生じるので、いっそのこと空中に跳び出て呼吸をすれば、速度が落ちないとの主張もある。また、空中に跳び出るのは、捕食者の有無を確認するためだとの見方もある。本研究では、古典的翼理論に基づいて、「イルカ跳び」運動方程式を提案し、エネルギー収支を再考する。速度の時間平均が同一ならば、一定のパワーで泳ぎ続けるほうが、「イルカ跳び」するよりもパワーを消費しないという常識的結論に至る。
著者
杉本 剛
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.21-29, 2006-11-30
被引用文献数
1

協同的な学習に取り組んでいる生徒を対象として,自己主体的な学習場面と友達との相互協力的な学習場面についての生徒の意識の関連を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。その結果,学習場面の多い・少ないとその学習場面で考えが深まる・変わる事があるとの間には,学習場面によって相関関係の強さに差が見られた。例として,自己主体的な学習場面では実験の結果わからない事を自分が本やインターネットを使って調べること,相互協力的な学習場面では実験の結果友達のわかった事を聞くことなどの学習場面で,学習場面の多い・少ないとその学習場面で考えが深まる・変わる事との間に中程度の相関が認められた。また,考えが深まる・変わる事について,自己主体的な学習場面と相互協力的な学習場面の間には学習場面によって相関関係の強さに差が見られた。例として,実験をする学習場面,実験の結果わかった事を考える学習場面,実験の結果をまとめる学習場面で,考えが深まる・変わる事について,自己主体的な学習場面と相互協力的な学習場面の間に強い相関が認められた。
著者
森 定雄 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 高田 かな子 杉本 剛 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 杉谷 初雄 大関 博 中橋 計治 日比 清勝 大谷 肇 中村 茂夫 杉浦 健児 田中 鍛 荻原 誠司 勝野 保夫 大久保 哲雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.95-101, 1996-01-05
被引用文献数
10 6

SEC専門部会傘下26測定機関でサイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の分子量の共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)4種類, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種類である.較正曲線作成用標準試料を配布し, 試料溶液の濃度, 注入量を規定するとともに, クロマトグラムベ-スラインの引き方を統一し, 又較正曲線は3次近似とした.その結果, かけ離れた数値を棄却した場合の相対標準偏差(RSD)はPSでは数平均分子量で13.7〜15.8%, 重量平均分子量で5.0〜5.8%.PMMAではそれぞれ11.9〜13.3%, 10.9〜11.3%であった.前回のラウンド口ビンテストと比較し, RSDが改善された様子は認められなかったが, 測定条件の不備による, 大きくかけ離れたデータがなくなった意義は大きい.RSDが改善されなかった理由の一つはベースラインに引き方の統一が完全でなかったことである.異なる検出器を使用した場合, 又異なるメーカーの標準試料を用いた場合, RSDが大きくなるようである.
著者
沖村 孝 杉本 剛康
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.297-313, 1995-01-31
被引用文献数
1

A method for estimating the probab1e damage caused by heavy rainfall is proposed that considers the occurrence rate of disasters caused by natural phenomena and the distribution of things that must be protected. Flood and mountain slope failures are regarded as natural phenomena in our study, and the population density is seen as a thing to be protected. This method was applied to the base of the mountain area along the Sumiyoshi River in Kobe City which had experienced flooding and mountain slope failures in 1938 and 1967. The results obtained for the occurrence rates of natura1 phenomena reflect the effects of the counter-measures taken after 1938,as well as urban development that has spread along the base of the Rokko Mountains.
著者
森 定雄 西村 泰彦 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 清田 光晴 高田 かな子 森 佳代 杉本 剛 葛谷 孝史 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 中野 治夫 杉谷 初雄 太田 恵理子 大関 博 加々美 菜穂美 上山 明美 中橋 計治 日比 清勝 佐々木 圭子 大谷 肇 石田 康行 中村 茂夫 杉浦 健児 福井 明美 田中 鍛 江尻 優子 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-504, 1995-06-05
被引用文献数
9 9

サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定において, 異なる測定機関における分子量測定値がどれくらい異なるかを知る目的で, 傘下26測定機関で共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)3種, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種で, 被検試料の測定条件と較正曲線作成条件は各測定機関で用いている要領で行った.その結果, 各測定機関での相対標準偏差は1〜3%と良好であったが、26測定機関による全平均値の相対標準偏差は13〜32%となった.測定データを吟味し, 望ましい測定条件からかけ離れているデータを除外した場合, PSのRSDは数平均分子量で13.6〜15.5%, 重量平均分子量で6.0〜9.4%となり.又PMMAではそれぞれ14.3〜16.0%, 7.8〜12.2%であった.