- 著者
-
大村 浩之
三目 直登
浅井 光輝
磯部 大吾郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本計算工学会
- 雑誌
- 日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
- 巻号頁・発行日
- vol.2021, pp.20210011, 2021-07-15 (Released:2021-07-15)
- 参考文献数
- 26
本稿では,壁領域の角を考慮し,Incompressible Smoothed Particle Hydrodynamics (ISPH) 法のような半陰解法の粒子法に適したポリゴン壁境界モデルを開発した.基本的な理論はExplicitly Represented Polygon (ERP) 壁境界モデルを踏襲しつつ,オリジナルのERPモデルで定義されている平面ポリゴンに対する壁面寄与計算を角に対しても拡張した.そのうえで,角に対して表現された壁領域の体積を角の平面角度および立体角度に基づく近似式で補正することで,計算効率を維持しながら精度の向上を図った.開発したモデルを改良ERP壁境界モデルとし,ISPH法へ導入した.開発したモデルの妥当性を検証するため,3次元の静水圧問題およびダムブレイク問題を解いた.計算結果から,改良ERPモデルを用いた場合,従来のERPモデルと比べて理論値もしくは実験値に近く,かつ滑らかな圧力分布が得られることが確認された.