著者
斎藤 正也 井元 清哉 山口 類 宮野 悟 樋口 知之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.51, 2014 (Released:2015-02-24)

インフルエンザに対する効果的な介入や注意喚起を行うためには、数理モデルを活用した流行予測が欠かせない。感染伝播ダイナミクスを考慮した日本全国の流行モデルを構成する場合、都市間相互の影響を取り入れるのは自然と考えられるが、定点動向調査結果に見られる複数地域での同期した感染者急増はそのことを支持している。そこで、本研究では都市間相互の影響を考慮したモデルの候補として、確率的に要素(地域)間の結合を取り入れた、連結SIRモデルを候補モデルとし、47都道府県での週毎の定点当感染者数を同化することで連結の強さを決めるパラメータを推定する。パラメータ推定にはMCMCを用い、各パラメータ設定での尤度評価を軽量に保つために、カルマンフィルタを適用可能にする近似を行った。また、地域毎の感染者数時系列は、連結強度の推定に十分な情報を持たないと考えられるため、地域間の人の移動件数の統計である都道府県間流動表を推定の事前分布の設計に用いた。
著者
芹澤 慎一郎 伊藤 朋之
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.193, 2014 (Released:2015-02-24)

粉粒体流動に関しては,粘性流体におけるナビエ・ストークス方程式に相当する構成方程式が確定していない.粉粒体が構成粒子から成る微細構造を有していることから極性流体理論に基づくモデルが提案されているが,実用に至っていない.本報告では,流氷群の解析のために提案されたHiblerの粘塑性モデルを極性流体理論に基づいて拡張し,巨視的な特徴量としての粉粒体の摩擦角,および微視的な特徴量しての粒径をパラメータとして含む粉体流動モデルを提案した.また,Smoothed Particle Hydrodynamicsを用いた数値解析を通じて,提案したモデルに対する各パラメータの影響を検討した.その結果,粒粒体の流動に際して回転運動と並行移動を伴う流動部と非流動部に別れる現象を提案した流動モデルによって再現した.また,粉粒体の巨視的特性として内部摩擦角に依存した安息角の形成,ならびに微視的特性として極性流体の特徴長さである粒径と流動性の関係性を示した.
著者
渡邉 祥 代田 健二
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第63回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.53, 2014 (Released:2015-02-24)

位相最適化手法により導出される最適化問題は,非適切問題であることが知られている.そのため最急降下法を適用すると,数値不安定現象が発生する.畔上は,数値不安定現象の原因を設計空間と勾配の属する関数空間の違いと考え,H1勾配法を提唱した.一方,数値不安定現象を起こす原因としては,離散化誤差,丸め誤差,測定誤差がある.測定誤差がない場合は,高精度数値解法と多倍長計算を用いることにより,非適切問題の近似解を高精度に得られることが示されている.位相最適化問題において測定誤差は存在しないため,高精度数値解法・多倍長計算が有効であることが期待できる.本研究では,高精度数値解法とH1勾配法を組み合わせた高精度最適設計手法の開発を行う.高精度数値解法として任意多点差分法,多倍長環境として exflibを採用する.ポアソン方程式・静弾性方程式による位相最適化問題に対する数値実験を実施し,開発手法の有効性を検討する.