著者
亀野 勝彦 永谷 結 柄澤 孝和 梅木 清 本條 毅 三上 岳彦
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.22(第22回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.197-202, 2008 (Released:2011-01-07)

本研究では,ヒートアイランド分布への風向の影響を首都圏スケールで明らかにすることを目的とし,夏季における広域METROSの気温データおよびAMeDASの降雨量と風向,風速データを使用して,観測領域内で1日の内に卓越する風向を東西南北別に解析に用いた。気温差を時系列解析した結果,ヒートアイランドは夜間に都心を,日中に都心および関東平野中央部を中心とし,風向変化から影響を受け,風下側に移動することが明らかになった。この移動は2~3時間の短い期間の風向変化に伴って,急速に起こることがあった。また南東の時には神奈川県沿岸部で,東京湾沿岸部と比較して,海風による強い冷却効果を受けることが明らかになった。
著者
小林 昭裕
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.22(第22回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.381-386, 2008 (Released:2011-01-07)

過剰整備に対する批判を踏まえ,荒廃箇所の整備上の課題について,大雪山国立公園の登山道整備水準の策定過程に着眼し,登山道整備の理念,計画策定上考慮すべき要素,施工技術上の課題を明らかにした。論議の手順として,検討会の構成,過剰整備という批判の原因への対処,荒廃の原因と対策,登山道の管理水準の設定,路線区分と技術的対応の観点について,合理的妥当性を検討し,荒廃箇所の整備上の課題を総括した。その結果,手順の論理的脈絡の明確化,利用体験の視点の導入,科学的データに基づく判断という点で,策定の道筋を示したことは評価された。
著者
真田 康弘
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.22(第22回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.363-368, 2008 (Released:2011-01-07)

現在日本が南極海及び北太平洋で行なっている捕鯨操業は,国際捕鯨取締条約第8条に規定される科学調査目的の捕獲許可発給に基づくものである。本小論ではこの条項の起源を探るとともに,商業捕鯨モラトリアム以前の各国の同条項に基づく捕獲許可発給運用の歴史を振り返り,国際捕鯨取締条約の有効性を減ずるものがなかった否かを検討するものとする。加えて,現在の日本の調査捕鯨のヒントとされている1977年より行われた捕獲許可発給に関して,これがどのような背景・理由から行なわれたのかを探るものとする。