著者
シイジュン ティエン ユージン イマダ イボシ パール
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.30-41, 2009

本稿では,ツーリズム・サテライト・アカウント(TSA)の手法によりハワイの観光産業の規模を検証する.調査結果から,ハワイでは 2007 年の州内総生産(GDP)の 14.7%,雇用全体の 15%,所得全体の 12.6%,州の税収の 20.1%を直接的に観光産業が占めていることが明らかになった.観光による間接的な影響も含めれば,2007 年では観光がハワイの雇用全体の 19.6%,州の税収の 24.5%を占めている.ハワイの観光部門は最多の雇用を生み出している部門であるにもかかわらず,収益を生み出すことには 3 位の部門に甘んじている.
著者
黒瀬 一弘
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.60-74, 2010

ルイジ・パシネッティの構造変化モデルは,スラッファとレオンチェフの静学的モデルを基礎にしている.この2つの静学的モデルが「垂直的統合」を可能にし,新古典派に対する代替的なモデルとしてのパシネッティを基礎づけている.本稿の第1の目的は,パシネッティ による垂直的統合の概念を振り返り,構造変化モデルの概観を示すことにある.第2の目的はパシネッティ・モデルを応用した理論的及び実証的研究例を紹介することにある.それらの応用研究の多くが新古典派的モデルから導出し得ない結果を 導いている.これはパシネッティ・モデルの代替的なモデルとしての可能性を示唆している.