著者
青木 淳一
出版者
神奈川県自然環境保全センター
雑誌
神奈川県自然環境保全センター報告 (ISSN:13492500)
巻号頁・発行日
no.2, pp.81-85, 2005-03

丹沢生物相の異変。私が丹沢の調査に関わったのは今から43〜44年前の「丹沢大山学術調査」で、まだ私が26歳の時です。学術調査ですから、研究者や専門家が自分達の専門分野を興味の赴くままに調査したということです。その報告書をなくしてしまったので神田の古本屋で探したら大変高価であったのでびっくりしました。みなさんが報告書を入手するのも大変ですから、第1回目の調査以降どんなことがわかったかについて、私の専門の動物の観点からお話ししていきます。
著者
越地 正 谷脇 徹 田村 淳
出版者
神奈川県自然環境保全センター
雑誌
神奈川県自然環境保全センター報告 (ISSN:13492500)
巻号頁・発行日
no.5, pp.3-9, 2008-03
被引用文献数
1

神奈川県丹沢山地一帯において2007年に大発生したブナハバチによるブナの被害調査を行った。ブナハバチ被害の中心は西丹沢の檜洞丸から加入道山にかけての標高1400m以上の地域であった。これらの地域一帯ではブナの葉が丸坊主になり残った葉脈が褐色に変わる異常な景観がみられた。葉の大部分を食害する「激害型」被害は80%を超える地点もあり、今までにない激しい規模の被害を受けたことがわかった。今回発生したブナハバチ被害により激害を受けたブナは、さらに衰弱枯死が加速する恐れがある。また、繰り返しブナハバチの大発生がみられる檜洞丸においてブナの衰弱枯死過程を調査したところ、ブナ枯れ跡地のギャップを中心に衰弱枯死が拡大していることがわかった。これらのブナの衰弱枯死原因を観察した結果、1997年以降はほとんどがブナハバチの繰り返しの食害によるものであった。
著者
谷脇 徹 笹川 裕史 藤澤 示弘
出版者
神奈川県自然環境保全センター
雑誌
神奈川県自然環境保全センター報告 (ISSN:13492500)
巻号頁・発行日
no.4, pp.41-45, 2007-03

スギノアカネトラカミキリによる材質劣化被害の実態把握のため、平成18年度にアンケート法による広域被害実態調査を実施した。得られた最新の調査結果と昭和54年度、昭和60年度、平成元年度および平成17年度の被害実態調査結果とあわせて、27年間に渡る被害発生の経年変化について検討した。調査箇所数の最も多い昭和60年度〜平成元年度における各市町村の被害状況について、被害状況や位置関係から7つの地域区分(複数市町村からなる地域)に分類した。その結果、激害地域から無被害地域まで段階的に認められ、激害地域から離れるほど被害程度が小さくなる傾向にあった。また、広域レベルでは被害の顕著な経年変化はみられなかったが、各地域内の詳細な被害経年変化については不明であり、今後の課題として残された。この課題について、GISによる新たな被害解析手法を導入することで、地況や林況データを含めた詳細な被害要因解析が可能になると期待される。