著者
小津和 俊洋 鈴木 淳
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第5分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of Fukuoka University of Education. 福岡教育大学 編 (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
no.64, pp.123-127, 2015

本研究では,九州大学バスケットボール連盟に加盟している大学の指導者で,全日本学生バスケットボール選手権に5年連続で出場しており,成年国体のコーチや学生選抜でもコーチを努めた経験がある指導者A 氏に対して,オンボールスクリーンに関する指導法をSACT という質的研究を用いて分析し,オンボールスクリーン成功の考え,オンボールスクリーンに関する指導方法,オンボールスクリーンの指導をどのように選手に伝えているかを調査することを目的とした。 その結果オンボールスクリーンの成功は,ズレを作り数的有利を作りだすことが,指導者A 氏が考えている成功だった。オンボールスクリーンの指導方法は,細かいファンダメンタルを行なうと選手の個性が制限されてしまうため,選手のもっている技術や考えを活かして,チームで決めたオフェンスのパターン練習を多くすることにより成功体験を体感してよいイメージでオフェンスが出来るように,練習の工夫をして行なっていた。 指導者から選手への伝え方としては,動きをはっきりすることを選手に伝え,チームが描いている動きを表現出来ない場合は,指導者が具体的に動きの内容を伝えて選手を納得させた上でプレイを行なわせるという指導方法をとっていた。