著者
郡 史郎 Kori Shiro コオリ シロウ
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2019, pp.13-24, 2020-07-31

音声言語の研究(14)首都圏中央部で使われる助詞・助動詞類のアクセントの具体的な音形を実用性のある簡潔な形で提示するとともに, その音韻論的型を郡(2015)の基準で分類した結果にもとづき,アクセントの変異のありかたと時代変化の方向性について考察した。「さえ・すら・より」「と」「よ・ぞ」については変異が意味の違いに由来すると考えうること, 変化の方向性としてアクセントの独立性が弱い型から強い型へという指向があることを述べた。
著者
郡 史郎
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2014, pp.63-74, 2015-05-30

音声言語の研究(9)東京方言の助詞・助動詞にはアクセントとしてどのような性質のものがあるかについて,直前形式とのアクセントとしての複合形態という観点を徹底させておこなった整理の結果と,関連する理論的問題についての検討結果を記した。ここでは助詞・助動詞のアクセントの性質を「乗っとり型」,「乗っとられ型」,「協力型」の3 種に分けたが,ほとんどのものは「協力型」になる。分類結果と具体的なアクセントを表2 と付表に示した。
著者
金子 理紗
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2015, pp.7-12, 2016-05-31

音声言語の研究10日本語では、「すっごしリのように促音を挿入して強調を示すことがある。本研究では、促音の挿入がどのような子音の前で強調として認められるか、東京方言話者20名を対象に、音声を用いた調査と文字を用いた調査をそれぞれ行なった。その結果、音声の場合でも文字の場合でも、一般的には避けられる有声子音前への挿入も含めて、促音の挿入は強調表現として認められやすいことが判明した。また、容認度の評定には、子音種以外の要因も関わっている可能性が示唆された。
著者
黄 晨雯 コウ シンブン
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2019, pp.31-45, 2020-07-31

テキストマイニングとデジタルヒューマニティーズ本稿では、中国20世紀以降の著名なミステリー作家である程小青と鬼馬星の作品計34点に対して量的分析を行うことを目的とする。主に代名詞と名詞の情報に焦点を当て、言語差異を見つけ出す試みをする。まずは主成分分析を実行し、テクスト間の相互関係、また単語間の相互関係を示す散布図を観察することによって、両作家の作品における明確な差異を解明した。特に女性を指す三人称代名詞の使用について大差が見られる。時代の影響により言葉遣いも変化するものである。さらに、LDAモデルを実行し生成された50個の名詞トピックに対して考察を行う。中国20世紀以降のミステリー小説において、身体言語と室内に関わるトピックは非常に大きな割合を占めている。程小青を特徴づける身体言語のトピックから、作品における人物の特徴まで探ることができた。寝室の痕跡と解釈したトピックも程小青を代表しているが、複数のトピック内容が1つのトピックに混在していることからトピック数の調整による細分化も必要なのではないかという示唆も受けた。本文旨在通过计量手法对中国近代著名的推理小说家程小青和鬼马星的作品共34本小说进行定量分析。本文主要聚焦在作品中的代名词和名词上,通过主成分分析手法,可以看出在代名词和名词的使用率上,两位作家的作品之间有着明显的区别。尤其是在对于女性第三人称的用法的不同上可以总结为时代变化对千用词的影响。本文还应用了主题模型分析,设定了50 个名词主题。从结果上看,在悬疑小说中,人物肢体语言以及有关房间构造的主题占了非常大的比例,可以说是悬疑小说的代表性主题。在有关肢体语言的多个主题中,通过主题的分布可以看出程小青的相关主题带有非常强烈的作品特色,可以通过主题中的词语分布归结出场景和人物的特点。有笑寝室痕迩的主題也是程小青作品的特色,但是i亥主題中混朱着多↑主題的笑鍵詞,有必要増加主題数来込到釧分主題的目的。
著者
土村 成美 Tsuchimura Narumi ツチムラ ナルミ
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.19-29, 2018-05-30

テクストマイニングとデジタルヒューマニティーズ 2017木研究ではイギリスの女性ミステリー作家Agatha Christieの作品の語彙的特徴に関して,他作家の作品との比較を通して分析を行うことを目的とする。比較対象として, Christieと同じくイギリスミステリー黄金時代に活躍した作家であるDorothy SayersとMargery Allinghamの作品を用いる。機械学習の一手法であるRandom Forestsを用い, 3作家の作品の分類を行うと共に,各作家の特徴語を抽出した。長編・短編作品全てを用いた分類を行うと誤分類が発生するものの,分類対象を長編作品に限定すると,正確に分類を行うことが可能であった。固有名詞が分類に大きく寄与した変数として抽出され,固有名詞が分類精度を向上させている可能性も考えられたが,固有名詞を除外して分類を行なっても,正確な分類結果となった。Christieの特徴語としてまずは-ly副詞が多く見られ,-ly副詞を用いてChristie が登場人物の言動の様子を詳述しているのではないかと考えられる。またyesやsure, youのような会話文に特徴的な語が多く抽出された。Christie作品は会話文を中心として物語が進められる作品が多く,そのことを反映した結果となっていると言える。This study investigates characteristic words of works by Agatha Christie, a female mystery writer in the UK, comparing with other authors'ones. The selected authors for the comparison are Dorothy Sayers and Margery Allingham. All of them are famous female mystery writers during Britain's golden age of crime fiction. This study applied Random Forests, a machine learning method, for classifying the three authors'works and extracting characteristic words from each author's works. The accuracy of classification was a little low when short stories were included in the data for the analysis, but when only long novels were used in Random Forests, all the texts were correctly classified into three different groups with an accuracy of 100%. First, the extracted characteristic words from Christie's works are -ly adverbs. Christie might use these words to describe how the characters in her works acted or said something. Second, spoken vocabularies like yes, sure, and you are also extracted as characteristic words of Christie's works. This result should be because Christie's novels contain a lot of conversations between characters.
著者
浅野 元子 Asano Motoko アサノ モトコ
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.55-91, 2017-05-31

テクストマイニングとデジタルヒューマニティーズThis paper describes an extension study for the preliminary assessments of pedagogical implications of a corpus-based ESP approach to medical research article reading in classrooms of Japanese medicalcollege students. Over the course of lectures spanning four to five hours on two different days with one to three weeks in between, a total of 222 second-and third-year students were involved in activities in which mini-corpora were compiled, and the rhetorical structure of the abstract and introduction sections of research articles from the New England Journal of Medicine were determined by finding non-thematic linguistic clues or hint expressions.Before and after the course, a questionnaire was administered preliminarily to examine whether or not the course had helped the students to alleviate the burdens of reading textbooks in English. The students' written comments were also invited on a voluntary basis. The statistical analysis using Welch's paired t-test revealed that the degree of'difficulty'in reading textbooks in English decreased significantly (p≤0.00234); however, the effect size was as small as 0.260. The move analysis of the students'written comments showed that th e' burdens or anxiety/dissatisfaction'comments tended to be provided together with 'achievements or findings', indicating that the students tended to soften their negative comments by combining them with positive ones. The observation revealed that quantitative, multivariate analyses may not be suitable for a small amount of written comments and might need to be used in combination with qualitative examinations. The results of this study suggested that the number of learning items should be reduced and the amount of explicit explanations about corpus tools as well as moves should be increased in the classroom in the future.本研究は,医学論文における言語的特徴の検討についての教育応用を模索するために,ミニコーパスの構築ならびにムーブの明示的指導と練習を取り入れた授業を行い,授業後に,学生にとって英語で書かれた専門文書を読むことの負荷が軽減するであろうかという聞いに対する答えを得る方法について予備的に検討した研究の延長研究である。本研究の背景としては,グローパル化に対応した英語教育において,医学生のリーデイング能力としては医学・医療の研究の基礎に必要な医学英語が理解できること,ライティング能力としては医学論文の英文abstractを書けることなどが, 医学英語教育学会によるガイドラインでの最低要件とされることがある。医学系単科大学の第2学年と第3学年の男女学生合計222名を対象にl回当たり60分の授業を4~5回行った。授業は,学術文書を英語で書くためには,学術文書をその分野の専門家のように英語で読むのが最良の方法であるというESPの概念や実践報告の積み重ねを重視する授業学の考えに基づいて行った。l回目の授業開始前と最後の授業終了後に英語で書かれた専門文書のなかでもより身近な教科書を読むことへの負担について質問紙調査を実施し,最後の授業後には自由回答による授業についての意見を求めた。質問紙調査では,欠損値のなかった197名を対象として統計学的に検討した。自由回答による意見は,回答が得られた34名の叙述を対象に,ムーブをコードして質的に検討し,多変量解析を用いて量的に検討した。質問紙調査では,英語で喜かれた教科書を読むことの難しさについて,授業終了後に授業開始前と比較して統計学的に有意な低下(p≤0.00234, Welchの対応のあるt検定)が認められたが,効果量は0.260と低かった。自由回答による意見では,量的検討に質的検討を組み合わせることの必要性が示唆され,授業での「負担または不安・不満」 は「達成または発見・気づき」や「提案」などとともに述べられ,和らげた語調を用いて述べられる傾向が示されたと考えられた。授業時間当たりの学習項目が多く,難易度が高かったことが示唆され,今後改善の必要があると考えられた。
著者
郡 史郎
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2018, pp.17-28, 2019-05-31

音声言語の研究(13)日本語におけるアクセントやイントネーションの逸脱に対して感じられる違和感の程度について,聴取調査による簡単な検討をおこなった。2・3 拍の和語名詞は本来の型と異なるアクセントに感じられる違和感は一般には強い。その中で,本来は尾高型である語を平板型で言うことへの違和感は相対的に小さい。文内のイントネーションについては,意味の限定関係が決める規則の知識はあいまい文の言い分けにもじょうずな読みに聞こえるためにも必要だが,規則に違反した発音であっても,意味の違いが生じない限り,感じられる違和感は小さい。
著者
張 雨辰 Cheng Zhangyu
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
no.2019, pp.41-50, 2020-07-31

自然言語への理論的アプローチ