著者
藤井 靖彦 鬼塚 初喜 野村 雅夫 冨安 博 岡本 眞實
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

昨年度の研究結果に基づき、本年度の主要な研究タ-ゲットを次のように設定した。1.ガドリニウムのイオン交換クロマトグラフィ-を行い、同位体分離係数を実測する。2.高速陰イオン交換樹脂を充填した、分離装置を使用してUー232,Uー233の濃縮挙動を解析し、他のウラン同位体と比較する。3.100℃以上での化学交換ウラン濃縮実験を行い、同位体分離係数の温度依存性を検討する。本年の研究結果は上記番号と対応し、次の通りである。1.EDTA、りんご酸を錯形成剤とするガドリニウムのイオン交換クロマトグラフィ-を行い、20m及び14mの長距離展開により、Gdー156,Gdー157,Gdー158のGdー160に対する同位体分離係数を決定した。EDTA系ではこの値が3.9×10^<-5>,4.0×10^<-5>,2.5×10^<-5>(上記同位体に対し)の値であった。2.U(IV)ーU(VI)交換陰イオン交換クロマトグラフィ-を90m/日の速度で約200m展開し、Uー232,Uー233,Uー234,Uー235の濃縮挙動を実験的に検討した。その結果、奇数のUー233はUー235と同じ方向の異常性示し、Uー232は他の偶数核種と同じ正常性を示した。この事から同位体効果の偶・奇数依存性が確認され、核スピンが関与することが明らかとなった。3.87℃と160℃でU(IV)ーU(VI)交換陰イオン交換クロマトグラフィ-を行い、同位体分離係数が温度に依存しない結果を得た。これも従来の理論を覆す事実である。

言及状況

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先の質問の答に近いと思われます。化学交換ウラン濃縮法の異常同位体効果の研究 http://t.co/N2aC7U1r @ahare_asayaka @Arenacyan

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