著者
久保田 雅久
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

初めに、洋海数値モデルとして北太平洋順圧モデルを開発した。また、海上風データとして、海上観測データ・人工衛星データ・大気大循環モデルの解析データを収集し、解析を行った。その結果、2種類の人工衛星データ(Geosat海面高度計・DMSPマイクロ波放射計)の間には大きな相違は無いが、海上観測データはそれに比較して風速が大きく、また、解析データは小さい事がわかった。さらに、これらの海上風データによって前述の順圧モデルを駆動した結果、海上風データの種類によって黒潮の流量が大きく変わることがわかった。次に、複数の熱赤外画像から海面流速場を算出する2種類の方法、最大相互相関法とインバース法について検討を行った。その結果、インバース法は等温線に直交する流速成分を非常によく再現する事がわかった。また、非発散の条件を付加してインバージョンを行うと、擾乱場に対する、等温線に平行な流速成分は、比較的よく再現できる事がわかった。両者の方法を用いて得られた流速場を、同じ期間の漂流ブイの軌跡と比較検討した結果、よい一致をみた。最後に、Geosat海面高度計による風速データを初期推定場、DMSPマイクロ波放射計による風速データを観測値として客観解析(修正法)を適用し、最適な風速データセットを作成することを試みた。得られた風速値を海上ブイ風速と比較した結果、両者は非常によく一致した。

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こんな研究ありました:海洋数値モデルにおけるデータアシミレーションの基礎研究(久保田 雅久) http://t.co/7Dox3FXY

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