著者
志田 えり子
出版者
東京工業大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

言語ゲーム論によれば、世界とはルールの束である。ならば、逆に適切なルールの束を与えてやれば、そこに世界が構成されるはずだ。コンピューターロールプレイングゲーム(RPG)が行っているのはまさしくこれである。すなわちRPGは架空の世界を構成し、それにリアリティを与え、プレイヤーにその世界に生きているという感覚(社会参加感)を与えることを目的とするゲームだからである。よいRPG(人気ソフト)はこれに成功している。したがって、それらのソフトがどんなルールを提供しているかを見ることによってわれわれは、どんなルールが提示されればプレイヤーが世界にリアルティをもち、かつその世界に主体として積極的に関わっていると認識することができるのかを知ることができる。具体的には、いわゆるドラクエなどの人気ソフトに共通して見られるのは、自然法則、社会制度といったルールに加え、「人格化のルール」と呼びうるようなルールが提示されているということである。すなわち画面上の動きや変化を行為として認定し、その行為を何らかの人格(自己や他者)に帰属させ、その人格の動機によって説明するルールである。この「情報の人格化」がゲームのリアルティを高め、そのゲームの人気を高める。このように、社会参加の感覚を人々がもつか、それとも疎外感を感じるかは、人々がどんな人格化ルールのもとに置かれているかに依存するのだということ。また、RPGをかなり低年齢の子どもが楽しみうるということからみて、われわれはかなり早い時期にルールを読み解く能力を身につけているのだということ、以上2点がRPGの分析を通じて明らかとなった。今後さらに具体的・内容的な検討を加えたい。

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KAKEN — 1993 年度 実績報告書 (KAKENHI-PROJECT-05710128) ゲームが報酬系に働きかけていると言われているが、 それは「人格化のルール」からも読み解ける。 ゲーム配信は、人格になれる解説のコンテンツとして消費される。 https://t.co/lqLsJVQ7em
こんな研究ありました:コンピューター・ロールプレイングゲームの社会学的研究(志田 えり子) http://t.co/EF08UCor3w
こんな研究ありました:コンピューター・ロールプレイングゲームの社会学的研究(志田 えり子) http://t.co/EF08UC7o1w
KAKEN - コンピューター・ロールプレイングゲームの社会学的研究(05710128) http://t.co/brIaP2HPoM
こんな研究ありました:コンピュ-タ-・ロ-ルプレイングゲ-ムの社会学的研究(志田 えり子) http://t.co/CH4ecyf

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