著者
吉村 正志
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

本年度は3年計画の最終年度であった。3年間で国内所蔵の東南アジア雄アリコレクションの概要がほぼ明らかになったと言えるだろう。だが、同時に、さらなるインベントリー情報の整備が検索システム構築には不可欠な要素であることも明らかになった。東南アジアにおける雄アリ検索システムの完成には到らなかったものの、その基礎となる知見や環境整備は3年間で大きく前進したといえる。今年度はこうした研究成果を英・和文の論文5編、著作1編、雑誌記事1編、国際学会発表1編、国内学会発表3編として公表した。昨年より本格的にカリフォルニア科学アカデミーとの共同研究を行ない、インベントリー情報が整備されたマダガスカル地域の雄アリ検索システムを構築し、このうちハリアリ亜科については発表に至った。さらにカギバラアリ亜科の研究を進めており、亜科内の翅脈の比較形態について国際学会で発表した。また、日本産アリ類の分類学的な研究を進め、アギトアリ属とウロコアリ属について発表した。また、屋久島調査の過程でハリアリ属に新知見が見出されたため、屋久島の調査報告とともに発表した。今年度は分類学的な研究と並行して、これまで蓄積された学術的な情報を分類研究者以外の研究者や一般社会へ還元するための、Web公開型データベースの整備に力を入れた。日本産アリ類画像データベースの改訂については昨年から進めていたもので、これを7月に2007年ベータ版としてWeb上に公開した。また、Web公開情報の安定的な保存と普及をさらに進め、学術的な引用に耐える環境を整備するため、新たなコンテンツを加えたデータベースを2008年CD-ROM版として、3月に出版した。また、データベースの改訂と運営を通して、現在のWeb公開型データベースが抱える問題点と展望を発表した。

言及状況

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こんな研究ありました:東南アジアの生物多様性保全のための雄アリ同定システムの構築(吉村 正志) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/05J05904

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