著者
森 源治郎 平井 宏昭 山口 俊彦
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

Apomixisを人為的に誘導することができれば,これを遺伝的にヘテロな植物の新しい繁殖法として利用することができる.ラン科植物およびヒガンバナ植物を材料にして他種あるいは他属との遠縁交雑において花粉刺激によるApomxis誘起の可能性がについて検討したところ,受粉刺激による果実の発達と種子形成が認められた.また,これらの種子を人工培地に無菌的に播種したところ,正常に正常し,発育した苗の形状Zyg.の自家受粉によって得られた苗と全く同様の形質を維持していることが確かめられた.Zygopetalum × Cymbidiumついて発達中の果実の組織観察を行ったところ,受粉3ヵ月後にはいずれにおいても珠心由来の多胚の形成が確認された.また,染色体の観察においても同様の結果が得られ,結局,得られた種子はApomixisによるものであることが明らかになった.一方、Zygopetalumについて無受粉花に生長調節物質の柱頭処理が果実の発達および種子形成に及ぼす影響について検討したところ,1,2%NAAの効果が最大であった.また,Lycoris3種を用いて種間交雑を行った後,受粉後柱頭にNAA処理を施すと着果率と果実当たりの種子数を増加させ,結果としてApomixisによる種子形成の割合を高めることができた.

言及状況

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@Hiro_SUDO https://t.co/2c1XZhUsn1 こちらの研究で、受粉をせずとも薬品の処理によって種子を作らせることが植物によっては可能とされていました。こういう手法が今後増殖法として実用化される可能性もあるのかなと そしてそうなった場合に、先の投稿で書いたような親と同じ品種として扱えるか?が…
@S_crossbreeder 40年近く前のガーデンライフの特集記事において ・花が散って15日後ごろに花茎を切り取り、日陰で水を与えると種が出来る種類がある ・ネリネとの交配を試みて種子が得られるも花粉の刺激による発生のようで交雑は起きていない という話があるのと https://t.co/2c1XZhUsn1 こういう研究もあります
@orchidfreak 元々は種間雑種を作ろうとした研究のようですが >また,Lycoris3種を用いて種間交雑を行った後, (中略) ,結果としてApomixisによる種子形成の割合を高めることができた. とあるように人為的なアポミクシス誘導はできるようなので、それに近いことが起こっている可能性が? https://t.co/2c1XZibvp1
ランのアポミクシスの話、染色体を調べて変異がないことを確認できているということはシランのような半数体になっているということも当然ないはずで そう考えると株分けとかメリクロンとは別の同クローンの植物を殖やす手段としてやっぱり面白そう https://t.co/1sMljFza59

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