- 著者
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橋本 佳
- 出版者
- 名古屋工業大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2010
HMMに基づく音声合成において,パラメータ共有のための決定木構造の選択基準として様々な基準が提案されているが,これらの基準は一般に学習データに対する評価値が最も高くなる決定木構造を最適なパラメータ共有構造として選択する.このため,あらゆるテキストに対して平均的に高い品質の音声を合成することが可能となる.しかし,学習データに対する最適なパラメータ共有構造が合成するテキストにとって最適ではなく,生成するテキストごとに最適なパラメータ共有構造は異なると考えられる.そのため,合成テキストに対して最適なパラメータ共有構造をテキストごとに動的に選択し,高品質な音声合成手法を確立することを目指す.これまでの成果から,事前分布がパラメータ共有構造の選択に大きく影響を与えることが示されたため,適切な事前分布選択方法について検討を行った.複数の話者の学習データを用いることにより,他の話者の学習データを有効に利用することが可能になり,話者に非依存な音声の平均的な特徴を捉えた事前分布を推定することが可能になった.この事前分布を用いることによって,より適切なモデル構造を選択することが可能になり,合成音声の品質を大きく改善することを実験結果から示した.