著者
竹本 幹夫
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究においては、ポスト世阿弥時代(1441年頃〜応仁の乱_<1467>以前)における能の作風と作者について研究・調査を行った。同時代の作者とその作品、および作者不明の作品群につき、そのテキストを収集し、データベース化する一方で、それらを利用して作品研究を行った。作品研究としての成果は、世阿弥風の幽玄能とは正反対の作風について、武士の戦闘を描く能を中心に検討したことと、能作者宮増の網羅的な作品研究を行ったことである。武士の登場する能は、実は世阿弥以前から少なからず存在していたが、世阿弥の新作活動が活発化するに及んで、制作例が一時的に減少した。しかしポスト世阿弥時代になると、再び活発化し、多くの点で古風な面を残した、武士同士の戦闘を描く現在能が次々に制作された。それらの作品は、酒宴の場面で歌舞を演じる設定があること、美しい少年(稚児)の活躍する場面があること、戦闘描写に類型的な共通表現があること、などが特色である。宮増はながらく謎の作者とされていた。しかし今回の研究で、ポスト世阿弥時代に活躍した伊勢猿楽出身の能大夫で、伊勢国下楠に住み、伊勢・大和を中心に活動していたらしいことがほぼ明らかになり、大和猿楽観世座に鼓役者として雇われ、寛正六年二月に横死した宮増二郎五郎がそれであろうと特定できる可能性が出てきた。宮増の作品は『能本作者註文』に十曲が掲げられ、記事の信憑性が問題視されていたが、今回検討したところでは、その多くが夢幻能の様式を具えながら、現在能的手法で制作されるという特色が共通しており、宮増の作風についてまったく新しいイメージが想定可能である。この研究は現在未完ながら、今年度内には完成させたい。

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[academic][能] 「それらの作品は、酒宴の場面で歌舞を演じる設定があること、美しい少年(稚児)の活躍する場面があること、戦闘描写に類型的な共通表現があること、などが特色である」

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