- 著者
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安井 湘三
鈴木 宏昭
下薗 真一
- 出版者
- 九州工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2000
我々が開発したCSDF構造刈り込みの手法は、脳機能の本質に迫るとされる冗長削減原理の一形態と考える。本基盤研究では、この手法を洗練・改良した上で以下のような応用を行い、当初の目標は概ね達成されたものと考える。(A)アナロジー類推プロセッサアナロジーは認知科学、心理学、科学史、AIなどで研究されてきた。アナロジー類推を行う我々のニューロプロセッサは比較的シンプルで、そこでは抽象化内部モデルおよび具体⇔抽象の結合がCSDFの働きで自律生成されるという独自のものである。内部モデルへの引き込み等が起こることで、複合アナロジーや追加アナロジーの学習パラダイムにおいても有効であることが確認された。(B)独立成分分析(ICA)ICAもしくはBSSとは、混合された複数未知信号を分離抽出するという新IT技術である。我々の方法は、情報理論に基づいた従来法とは根本的に異なる。センサー信号を入力するオートエンコーダに恒等写像学習を行わせ、同時に、デコーダ部にCSDFを施す。すると、CSDFに抗して生き残った隠れ素子が源信号を再生する。また、デコーダ行列は混合行列を再生するので、デコーダ部は外部世界(源信号-センサ)の内部モデルとなる。従来法と比べて適応性・ロバスト性に富むことが特長で、音声や画像の実データを使った実験においてもある程度の成功を収めた。