著者
森 功次
出版者
山形大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は、主に現象学的アプローチから研究を進めるとともに、批評実践の場面に積極的に関わることで批評家や芸術家たちと議論を行なった。論文としては、2015年3月刊行の『サルトル読本』に「芸術は道徳に寄与するのか――中期サルトルにおける芸術論と道徳論との関係」という論文を寄せた。また、2015年3月に「前期サルトルの芸術哲学――想像力・道徳・独自性」という題目で東京大学に博士論文を提出した。学会発表としては、7月に日本サルトル学会にて「サルトル研究における哲学研究者の役割」というタイトルで発表した。9月には、露光研究発表会にて「芸術作品は非現実的なものである」というテーゼについて:初期サルトルにおける芸術作品の存在論的身分と美的経験論」というタイトルで発表した。この発表の内容は、さらに議論を改訂・追加したかたちで、1月の科研会議、「表象媒体の哲学的研究――画像の像性と媒体性の分析を中心に」(基盤C、研究代表者:小熊正久)でも発表した(この内容はのちに科研の報告書として出版される論文集に採録予定となっている)。12月には、第9回KoSACにて『美術手帖』の第15回芸術評論で第1席を受賞したgnckの評論文「画像の問題系 演算性の美学」の合評会で評者を務めた。また3月には第11回KoSACにて岡沢亮修士論文「人々の実践としての芸術/非芸術の区別:法・倫理・批評領域に焦点を当てて」合評会の評者をつとめた。雑誌記事としては、6月に「失礼な観賞」、『エステティーク』、p. 72-76.を執筆した。さらにアウトリーチ活動として、11月に名古屋のアートサークル「ロプロプ」が主催するArts Audience Tables 、オーディエンス筋トレテーブル#06にて、「多元化するアートワールドを考える:関係性の美学、地域アート、芸術的価値」というタイトルでレクチャーを行った。また2月には、展覧会「オントロジカル・スニップ」(HIGURE17-15cas)のトークイベントに登壇した。

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「分析美学の手法を用い」って実績報告書でつかっちゃってましたわー。 ハハハ。 https://t.co/CL4M2MLqZF

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