著者
浅川 滋男 西山 和宏 東樋口 護
出版者
鳥取環境大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

東アジアから東南アジアにかけて広範囲に分布する家船居住の実態をあきらかにするための前提として、これまでの研究史を整理し、この地域における家船の分布図と家船呼称の分布図を作成した。一方、山口県の見島、マレーシアのペナン島とケタム島、ベトナムの香河、カンボジアのトンレサップ湖などで水上居住に関するフィールドワークを進めた。ベトナムのフエには約2万艘の家船が現存する。すてに相当の研究が蓄積されており、関係論文2篇を入手し、これを翻訳した。最も集中的な調査をおこなったのは、カンボジアのトンレサップ湖である。トンレサップは東南アジア最大の淡水湖であり、雨期と乾季で水位が約6メートル上下する。ここにチョンクニアスという大規模な水上集落が形成されており、そこにはおびただしい数の家船・筏住居・杭上住居が共存している。水上居住民の陸地定住化のプロセスを考察するにあたって、きわめて示唆にとむ。また、湖岸のスクウォッターとしての杭上住居だけでなく、一般農村の高床住居についても調査し、両者の構造・間取りを比較した。トンレサップ湖には、クメール人だけてなく、ベトナムからの難民が多数流入している点も興味深い。東南アジアでは、日本・中国では消滅しつつある家船居住が現在なお迫力をもって息づいており、これらの調査研究成果を中心にして、報告書を刊行した。

言及状況

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こんな研究ありました:東アジア漂海民の家船居住と陸地定住化に関する比較研究(浅川 滋男) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/13650707

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