著者
山田 源
出版者
熊本大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2001

我々は本研究によって、哺乳類の外性器形成の特徴である陰茎および陰核形成メカニズムに迫った。哺乳類は脊権動物の中でも、良く発達した外性器を有している。高等哺乳類の外性器形成過程は、これまで分子発生学的に全く解明されておらず、そもそも如何なるメカニズムで胎生期に外性器原基(一種の突起構造)が伸長するのか、如何にそれが分化して外性器となるか殆ど理解されていない。陰茎および陰核はアダルトにおいてはその形態は大きく異なるものの、胎生期形態は後期に至るまで両性で類似した形を有している。ここでは体幹部から伸長、分化するメカニズムが雌雄で類似しており、さらに胎生末期から生後に到るホルモン影響下の分化の違いが出るという興味ある現象がある。我々は胎生期における陰核および陰茎形成プログラムとして間葉性のFGF遺伝子、および尿道上皮に発現するShh(ソニックヘッジホッグ)遺伝子が近接した状態で(尿道上皮のShhが中央に、両側にFGF10遺伝子が)発現し、それら相互作用が陰茎、陰核形成にとって、最も重要な尿道板/尿道形成に作用していることを世界で初めて見い出した。さらにこうしたShhおよびFGF遺伝子群が陰核、陰茎形態が顕著な哺乳類ばかりでなく、烏類胚(ヒダ状のものから突出した交接器を有するものまである)においてもこれら遺伝子発現が興味ある相関を示している事を見い出した。このようなメカニズムが今後さらに胎生後期から新生児期にホルモンの制御を受けるかに関して、これら細胞増殖因子群の遺伝子発現変化、及び形態変化を今後解析していく予定である。

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@t_m_love_s_m FGF10とSHHの発現量によるので器の大きさとは関係しません https://t.co/oYjTGZdSxk

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