著者
藤本 由香里 Jaqueline BERNDT 椎名 ゆかり 伊藤 剛 夏目 房之介
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

本年度は、研究代表者の藤本が在外研究から帰国したため、これまで破竹の勢いで進んできた海外調査もイタリアのみとなった。しかし長年の調査の結果、日本マンガの海外展開のブレークスルーとなったのは1992年の台湾の著作権法改正であったことが明らかになり、その成果を含めた論文を「海賊版マンガから正規版への移行過程と残る諸問題――台湾とタイの事例を中心に」として共著で出版した(藤本)。これは本科研費の研究テーマ「Manga<Style>の海外への伝播と変容」にとっても基礎となる大きな発見であり、メンバー全員で共有した。また藤本はマレーシア、フィンランドの調査結果を調査レポートとして発表するとともに、ずっと調査してきた「マンガの読み方向」の問題を、ハワイの国際学会で発表した。一方、欧米各国を巡回する「マンガ北斎漫画」展の監修者であるベルントは同展覧会の巡回に伴ってカタログに解説を書き、各国の国際学会やシンポジウム等に招かれ、意欲的に多数の発表を行った。「描く!マンガ展」の監修者である伊藤剛も、同展の国内巡回に伴いゲストレクチャーを行い、夏目は中国・タイ・イタリアで行ったアンケートの分析を続けるとともに、論文や講演を通して「マンガ表現論」の再考を行った。本年度、椎名はもともとのフィールドであるアメリカでの分析に対する対象項として、逆に日本における海外コミック受容の言説史の調査を集中して行い、本科研費の研究会で発表した。また本年度は、アメコミの表現とマンガスタイルがミックスされた作風で知られ、その形式で描かれてハリウッド映画化もされてヒットした『スコット・ピルグリム』の作者であるブライアン・リー・オマリーを招いて、椎名を聞き手として明治大学で大学院特別講義を行った。講義自体は明治大学大学院の授業の枠を使ったが、終了後も引き続きオマリー氏に話をうかがうことができ、貴重な機会となった。

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