- 著者
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吉見 義明
田中 祐介
- 出版者
- 中央大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01 (Released:2015-04-16)
研究代表者は、長野県筑北村で宮下土義日記(村長)、細田寸海子日記(主婦)の調査と収集を行なった。京都府では西山夘三日記(建築家)、大槻澪子日記(主婦)の調査と収集を行った。滋賀県ではある農民の日記の調査と収集を行なった。これらの一部または全部は写真撮影で収集した(農民日記は撮影を許可されなかったので、一部を筆写した)。細田氏については聞き取りも行なった。東京都で塚本昌芳日記(飲食業・不動産業)の一部をPDF化し、また、同氏への聞き取りを行なった。これらはいずれも、様々な角度から高度成長期の民衆意識の解明に資するものである。「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行い、永井幸喜日記(実業家)を完了し、時岡八七子日記(主婦)などの目録の一部を作成した。また、国立国会図書館所蔵の日記類の調査を行い、全体の3分の1程度のチェックを完了した。奈良県立図書情報館所蔵日記の調査を行った。さらに、平成27年度に収集した沖縄の日記に関する共同研究を行い、その成果の一部を公表した。研究分担者は、主として「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行ない、笠原徳日記(小学校教員)などの目録作りを完了した。同会所蔵日記類の目録づくりは、高度成長期の研究の基礎となる多様な日記の内容を明らかにするもので、今後の研究に大きな寄与をなすであろう。また、韓国で開催された "The main kurrent of Personal Document Study in East Asia"というシンポジュームに参加し報告した。これは、同時代の東アジアの日記の比較研究に道を開くものとなるであろう。