著者
吉見 義明 田中 祐介 小薗 崇明
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者は、研究協力者とともに、「野原武雄日記」1929年-1941年, 1948年-1956年, 1966年-1970年(岐阜県歴史資料館所蔵)・「宮下土義日記」1966年1月1日-1971年8月31日(個人蔵)の撮影を行い、また新たに「笠原徳日記」1954年-1989年(「女性の日記から学ぶ会」所蔵)の撮影を行った。また、関連する個人の日記約190冊を古書店から入手した。これらは、いずれも様々な角度から高度成長期の民衆意識の解明に資するものである。「女性の日記から学ぶ会」所蔵の日記類の目録作りを行ない、「時岡八七子日記」の目録化を完了した。また、国立国会図書館所蔵の高度成長期の日記類の調査を行い、本年度は全体の三分の一程度のチェックを行った。「女性の日記から学ぶ会」総会シンポジウムと八千代市中央図書館市制50周年記念シンポジウムに協力し、総論「日記にみる高度成長期」を担当・報告した。これは、次年度に予定している学術シンポジウムの準備を兼ねている。「野原武雄日記」の共同研究を行い、地域の遺族会会長としての軌跡を追い、その成果を公表した。研究分担者(田中祐介)は、「女性の日記から学ぶ会」所蔵日記類の目録作りを継続し、これまでにその約8割を目録化した。また、韓国で開かれた「日記文化」に関するシンポジウムに参加し、日記に関する国際共同研究への糸口を開いた。また、近代の日記文化に関する著書の編集を行ない、刊行した。12月に新たに研究分担者となった小薗崇明は、研究分担者としての活動の期間が今年度はほとんどなかったが、上記の「野原武雄日記」・「宮下土義日記」の撮影に参加した。上記の調査・研究により、高度成長期の日本民衆のデモクラシー意識の特徴とその変容について、民衆世界の変容とともに、具体的に解明できる条件ができた。
著者
田中 祐介
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.49-64, 2012-11-15

A number of studies in the field of the intellectual history of modern Japan have analyzed from a variety of angles the importance of the discovery of the concept of "society" in the public arena after World War I. However, its effect on literary history has not been explored fully to this day. This paper attempts to explicate how the awareness of society affected literary circles and literary expressions by reexamining the significance of the "Socialization of Literary Art" debate in 1920. This debate was conducted primarily in the form of an article that attracted a number of comments by different critics in the Yomiuri newspaper under the title, "The Socialization of Literary Art. "This paper argues that the movement engulfed the entire literary world and explicates how the conception of society transformed the literary discourse of the time, which idealized "the self," "character," and "universality."
著者
小谷 瑛輔 田中 祐介 中野 綾子 若島 正 木村 政樹 矢口 貢大
出版者
富山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近代において、将棋と文学は密接に関わりあいながら展開してきた。本研究では、その様相を具体的に解き明かし、データベースや論集にまとめた。一つ目は、小説という近代的な新しい概念が将棋の比喩によって誕生し、その後も文学の概念に影響を与えてきたこと。二つ目は、新聞・雑誌メディアの発展において将棋と文学がともに重要なコンテンツであったということ。三つ目は、文壇の人的ネットワークにおいて将棋が大きな役割を果たしてきたことである。