- 著者
-
東野 正幸
- 出版者
- 鳥取大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2015-04-01
本研究の目的は分散環境におけるモバイルエージェントの動的なデバッグ手法を開発することであるが、本年度の研究過程において、分散環境のパラダイムにおいては、高い独立性を持つ低粒度のサービスを組み合わせて情報システムを実現する、マイクロサービスアーキテクチャと呼ばれる構築方法が急速に普及しつつあり、マイクロサービスは、モバイルエージェントに類似した性質をいくつか持っており、分散環境におけるモバイルエージェントの動的なデバッグ手法を開発・適用する上で、重要な意味を持つ応用対象の1つになると考えられることが新たに判明した。本年度では、研究課題全体の最終的な目標として分散環境におけるモバイルエージェントの動的デバッグ手法を実アプリケーションに適用することを見据え、モバイルエージェント技術をマイクロサービスアーキテクチャへ導入するための課題の整理及び解決するためのアプローチの提案を行った。マイクロサービスを分割・統合する処理は、モバイルエージェントにおけるエージェントの分割・統合と共通点がある。しかし、モバイルエージェントは自律的にホスト間を移動することやホストも自律的に生成・消滅する可能性も考慮する必要があり、マイクロサービスにおけるサービスメッシュなどのインフラ及びデプロイ環境は、モバイルエージェント環境が持つ副作用を強く抑制し選択的に緩和した環境として扱うことが可能であると考えられる。これはマイクロサービスなどの普及が進みつつあるアーキテクチャが次世代のアーキテクチャへ発展する際において、モバイルエージェント技術が寄与する知見として重要な意義を持つと考えられる。