著者
深田 淳太郎
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では第二次大戦において海外に残された遺骨の収容活動の変遷と現在の状況を、フィールドワークを通して明らかにした。この変遷は、戦没者が「個人」と「集合的戦没者」の二つの側面の間を揺れ動いてきたものとして理解できた。戦没者を直接見知った世代が遺骨収集活動において求めたのは、自分の家族や友人という「個人」であった。一方で1990年代以降、直接の関係が無い世代が収集活動に関わるようになると、戦没者は集合的にあるいは「数字」として取り扱われる傾向が強くなった。近年DNA鑑定が導入され、再び「個人化」への揺り戻しが起こっているが、これはかつての誰かの家族や友人としての「個人」とは異なってきている。

言及状況

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報道特集,ソロモン諸島の映像については,全国ソロモン会の協力を得たとのこと https://t.co/uHBN9GslMC 遺骨収集活動については,今でも毎年行われているという事実だけ紹介されたが,深田さんの研究 https://t.co/S6h7qOe6LA をオセアニア学会関西地区例会で聞いたとき,難しいものだと思った

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