著者
大下 祥枝
出版者
沖縄国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

19世紀前半のフランス社会は、政治体制がめまぐるしく変わる激動の時代にあった。そのような時に思想・信条を発表する場として新聞・雑誌が大いに利用されたが、大衆がつめかけたパリのブルヴァールの劇場も、その場を提供していたのである。いったい舞台の上でどのような場面が展開し、聴衆の心をつかんでいたのであろうか。大衆演劇の枠組みに入る数多くのメロドラマの中から、役者フレデリック・ルメートルが主役を演じた作品を選び、舞台が観客に与えた影響について考察を進めた。第一部では、権力に挑む大衆演劇とその周辺というタイトルのもとに、『ロベール・々ケール』と『パリの屑屋』を取り上げた。主人公たちがいかにして権力に立ち向かっていくかを調査し、またメロドラマと他分野との関連性や検閲について検討を加えた。社会的弱者を描く大衆演劇と題した第二部では、家族制度の矛盾点がメロドラマの『リチャード・ダーリントン』と『三十年間、または或る賭事師の一生』ではどのような形で登場人物の動きに反映されているかを検証した。第三部ではバルザックの劇作品、および劇中劇の形式で描かれた『魔王の喜劇』について、『ロベール・マケール』の影響を調査すると同時に、作家が七月王政下の社会を調刺する手法を探った。以上のような考察を通して、当時の民衆が体制批判をする一つの切っ掛けとなったのが、メロドラマなどの舞台であるといえるのではないだろうか。

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