- 著者
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安田 美弥子
新井 信之
岡本 隆寛
- 出版者
- 順天堂大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2004
近年、急増しているアディクションに対し、従来の看護観、看護技術では対応できず、地域でも臨床現場でもとまどいが大きい。そこで、アディクション看護の特性を明らかにするために、日本アディクション看護学会を設立し、年1回の学術集会を開催し、そのほか事例検討会や、病棟見学スタッフとの話し合いなどを行い、従来の看護との相違やアディクション看護の専門性、アディクションという病気の特性を検討した。その結果、アディクション看護には再飲酒が予測されても本人の意志によっては失敗を容認したり、患者の話すことを傾聴し受容するよりより突き放すことが必要とされるなど、従来の看護のカウンターカルチャー的なところがあり、臨床現場で困惑や陰性感情を生じやすいことが明らかになった。アディクションは人間関係の病、家族の病、生き方の病、喪失の病であるので、看護師は人間、家族、人生、生き方などに深い思索を行い、他職種、他機関と連携しながら、セルフヘルプグループなどにも出席するなど自らの成長をはかり、当事者・家族を共に見守っていかなければならないという特性があり、やってあげる看護ではなく、当事者・家族の自己決定を促す見守る看護にアディクション看護の専門性があることを確認した。アディクションの急増する社会では臨床現場での教育だけでなく、看護基礎教育からアディクション看護を教育する必要がある。そこでアディクション看護のテキストブックの作成にも携わり、近日出版されることになっている。