- 著者
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三輪 宗弘
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
戦時中の移入朝鮮人労働者(炭鉱)の賃金並びに労働環境の調査を一次資料に基づいて行った。石炭産業の賃金に関しては、日本人と朝鮮人の間に差別するような規定はなく、同一基準であり、年齢、学歴、職種、経験などが加味されたが、基本的に出来高制であった。2年契約が多く、契約を更新には、6か月とか1年間、2年間など様々な形態があった。労働時間は10時間で、残業手当は1時間単位で10パーセントほど割増で支払われた。休養日は月二回が多かった。1000人当たりの死亡率は、日本人と朝鮮人労働者の場合、炭鉱で1年間5人であった。貯金に関しては任意貯金が多く、生活の安定のため、一定金額まで貯金を奨めた場合もあった。