著者
三輪 宗弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

明治以来、筑豊炭鉱では出来高払いが基本(特に採炭現場)であったが、筆者は移入朝鮮人労働者にも出来高払いが基本的な基準であったと考えていたが、出来高払いが基本であることを確認できた。日本人と朝鮮人労働者との間で賃金を差別する(区別する)規程は見出すことができなかった。明治赤池の採炭夫のデータであるが、朝鮮人労働者の賃金の方が高い場合もあれば、日本人労働者の賃金が高い買いもある。朝鮮人労働者の技量が高まる一方で、日本人鉱夫が兵役に就き、熟練鉱夫が職場を離れたためであろう。労働期間は基本的に2年契約が多いが、契約延長に際しては6か月とか、1年間もある。賃金の決め方 年齢、経験、学歴、出来高、(諸手当)基本給の決め方であるが、年齢やそれまでの経験が考慮され、職種によって体系が違う。坑内と坑外では時間当たりの賃金は異なる。一般に郊外の方が労働時間は長い。戦時中の貯金の実態についてであるが、日本鉱山協会「半島人労務者ニ関スル調査報告」(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1071122)を読む限り、任意貯金の割合が大きいことがわかる。炭鉱によってはばらつきがあり、一人一人によって違うが、ある鉱山の事例では任意貯金は206人が行い、一人1ヶ月平均は20.17円に対して強制貯金(会社規定による規約貯金、国民貯金)を225人が行い、一人1ヶ月平均2.41円である(43頁)。言えることは、任意貯金の割合が高く、強制貯金は一か月のうちの2.5日分相当であるということである。独や仏の外国人労働者の賃金も調べたが、1940年以前はフランスの炭鉱ではポーランド人鉱夫の賃金は差別はなかった。戦時中のドイツの炭鉱ではスラブ系民族の炭鉱労働者は賃金が半分以下に抑えられていることが指摘されている。炭鉱労働者の賃金を国際比較することで、徴用工の賃金水準を明らかにしたい。

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