- 著者
-
山中 敏彰
和田 佳郎
- 出版者
- 奈良県立医科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
姿勢や歩行機能の障害が存続する難治化した慢性平衡障害者に対して前庭覚代行装(Vestibular Substitution Tongue Device: VSTD)を用いるリハビリテーション治療を試みて、長期効果を検討した。期間延長の理由により、2018年度は症例確保が進まず、1例のみの追加で合計11例に対して中期の評価を行なった。頭位の傾きを感知する加速度計からの情報を電気信号に変換して舌に設置したインタフェースに伝達する、VSTDのシステムを使用して、バランストレーニングを8週間行った。評価項目として、重心動揺検査から得られる30秒間の動揺軌跡長と歩行条件から点数化した歩行機能視標(30点満点)を用いた。重心動揺総軌長は237.5 ± 22.4 cm/30 s から 85.4 ± 15.4 cm/30 s に、歩行機能スコアは、13.5 ± 1.5から23.5± 1.6にそれぞれ変化し 両者ともに治療直後より著明な改善を示した。VSTDを取り外した後の効果を追跡観察したところ、12か月以上の時点で、重心動揺総軌長88.6± 18.9、歩行機能スコアは23.8±3.0となり、改善は、最短12か月でほぼ変動なく、効果は維持された。現在は、短期間ではあるがトレーニング効果は持ち越され維持できる傾向が示されている。