著者
山水 康平
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

脳を健康な状態に保つためには神経細胞を有害物質から守ることが重要であり、そのバリアーとして役割を果たすのが血液脳関門(Blood-Brain-Barrier; BBB)である。BBBは血管内皮細胞と、その周りをペリサイトや神経細胞、アストロサイトなどが取り囲むことで構成され、強固なタイトジャンクションを形成すると共に特異的なトランスポーターを発現し、物質の移送を厳密に制御することにより脳の恒常性を維持している。このバリアー機能は時として障害となりえる。すなわち、脳内への薬物の輸送を阻害する。これまでに我々は、ヒトiPS細胞より血管内皮細胞、ペリサイト、神経細胞、アストロサイトへの効率的な分化誘導法を確立した。本研究では、BBB形成に必要な上記4種の細胞を共培養することにより脳血管内皮細胞を誘導・純化し、さらに、iPS細胞より誘導したアストロサイトと共培養することにより、BBBモデルを作製することに成功した。臨床で使用されている10薬物の薬物透過性をnanoLC-MS/MSで解析し、脳への薬物透過性を予測できることを証明した(Yamamizu., Stem Cell Reports 2017)。このBBBモデルを用いることにより、候補中枢神経薬の脳への薬物透過性を検討することが可能である。さらに、BBBの崩壊は多くの神経変性疾患と関与しているため、BBBモデル作製に疾患iPS細胞を用いることにより、神経変性疾患や脳血管疾患の発症メカニズムを解析することができる。

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そういや寄付金使ってって書いてあるけど、科研費 https://t.co/mceDlpSiNu は間違いなく使ってるよね。amedの方もこれベースに取ってたはずだけど見つからん。開始時期によっては科研費までしか入ってない可能性はあるかな。

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