著者
高橋 浩二
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

前年度から引き続きヒスイの穿孔実験と遺跡出土ヒスイ製品に関する調査を実施した。ヒスイの穿孔では、舞錐法に加えて、竹管と銅管の穿孔具による弓錐法を用いた比較実験を行ったところ、およそ3.5時間(銅管)〜6時間(竹管)で深さ0.5cmの穿孔が可能な舞錐法に対して、弓錐法ではそれぞれ約6倍の時間を要すると考えられること、また銅管と比較して竹管の穿孔具では穿孔に約1.7倍の時間を要するが、穿孔具の先端に触材(実験では海砂と金剛砂を使用)が定着しさえすれば竹管でも効率的な穿孔が可能であるという結果を得た。加えて、技術的専門性が高いとされる穿孔過程に関しては、穿孔前の下孔作出と穿孔具軸心の垂直維持が重要であるということがあらためて明らかになった。なお、熟練度によっても穿孔の効率が異なるため、今後さらにデータを蓄積する必要がある。次に、弥生から古墳時代のヒスイ勾玉を中心にして資料の観察を行った。古墳前期以前のものは擦切技法を用いることによって、緑色半透明な色質の部位を効率的に取り出して勾玉を作出するのに対して、古墳中期以降のものは白色不透明化の傾向にあり、擦切技法は急激に衰退していったものと考えられる。また、韓国(新羅)出土のヒスイ勾玉については、新しいものほど白色化の傾向にあり、日本列島における変化との対応関係から、段階的に流通していった可能性が高いという見通しが得られた。

言及状況

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勾玉にも多く使用されたヒスイ 引っ掻き傷には弱いけど、砕けにくいから好まれたのかな?色も綺麗だし。 機会があれば勾玉作り体験してみたい。 https://t.co/sMhkhibXIX https://t.co/3bv4KTfVJc https://t.co/SXhwJnxfxt https://t.co/OP2KoYDPS8
まず翡翠の勾玉 「実験考古学」というのがありまして、この分野で古代における翡翠の加工技術に関しては幾つか研究がされています。 加工途中のものも多数出土しているので、比較的、どのように作られていたのか想像しやすいんですね。 https://t.co/mb8eQ27ecY
@yutacyuu 此処に見つけたのですが? https://t.co/ufnsw31NQg コレ読んでも結果しか書いて無くてサッパリ分からない‼️ ダイヤモンドが無い時代 メノウ、水晶が有っても 刃が立たない! まして現在超硬合金でやって見ても全くダメ!です ダカラ最低でも同じ翡翠のカケラなどを棒で突くが全くダメ‼️ 本当不思議‼️

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