著者
三根 慎二
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本年度は,1)プラットフォーム概念の整理および2)学術情報流通におけるプラットフォームの事例調査に向けた調査計画の立案を行った。プラットフォーム概念の整理に関しては,まず国内外のプラットフォーム研究関連の先行研究と学術情報流通におけるプラットフォームを扱った研究の網羅的文献探索を行った。前者に関しては,主に中心的研究者の著作やレビュー論文を対象に,エンジニアリング・デザイン(新製品開発,オペレーションズマネジメント,技術戦略)と経済学(産業経済学・産業組織論)におけるプラットフォーム概念(①製品プラットフォーム,②サプライチェーン・プラットフォーム,③産業プラットフォーム,④多面市場プラットフォーム)について整理した。一方,学術情報流通においては,特定のサービスをプラットフォームと呼ぶことはあるものの定義なしでの利用に留まっていること,プラットフォーム概念を扱った研究は学術雑誌の価格構造に関する経済学分野のものを除いて,ほぼ皆無であることが分かった。収集した関連文献リスト(図書・雑誌論文・ウェブサイトなど)は,ホームページ上で公開・随時更新している(http://lis.human.mie-u.ac.jp/post/161536774281/how-platforms-reshape-scholarly-communication)。学術情報流通におけるプラットフォームの事例調査に関しては,特定商業出版社の電子ジャーナルプラットフォームを対象に,なぜ現在のような先導的役割を果たし,他社への強い影響力を保つことができたかを明らかにすることを目的として事例調査の研究計画を立案した。

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