著者
高木 潤野
出版者
長野大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

場面緘黙は話す力があるにも関わらず学校等で話せないことを主な症状とする。場面緘黙の治療については知見が蓄積されつつあるものの、本人が治療への参加に消極的だと改善が困難である。そこで本研究では「セルフ・エフィカシー(自己効力感:SE)」に着目した。SEとは「自分がその行動をどの程度うまくできるかの予期」であり、心理教育によって「自分の緘黙症状は治療によって改善させることができる」というSEを高めることができれば治療への参加を積極的にさせることができると考えた。このことから本研究では、場面緘黙当事者を対象にSEを高めるための心理教育を行いSEと治療への参加の積極性の関係を明らかにすることを目的とした。2017年度の研究では、場面緘黙当事者への心理教育に用いる心理教育教材を作成し、10名の場面緘黙当事者を対象に心理教育及び個別の介入を開始した。心理教育教材は4つの章から構成した。Bandura (1977) は、SEを変化させる情報源として「言語的説得」「代理的経験」「情動的喚起」「遂行行動の達成」の4点を挙げていることから、各回がこの4点と対応した内容となっている。各セッションはそれぞれ60分程度で実施できる内容とした。治療プログラムは4回の心理教育及び事前・事後の計測を含む計6セッションで構成されている。心理教育は個別又は最大4名の小集団によって実施しており、1名についてはすでに4回の心理教育を終了した。今後は6回の治療プログラム(心理教育及び個別の介入)を完了し心理教育の効果を検証するとともに、その後も介入を継続して場面緘黙の改善が見られるかを明らかにする。また作成した心理教育教材については印刷し、より多くのケースで利用できる形で公表する予定である。

言及状況

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2017年度実施状況報告書『場面緘黙児・者のセルフ・エフィカシーが治療への参加意欲に及ぼす影響』  https://t.co/JmhRWePz8T
場面緘黙症の研究が、今年度も科学研究費補助金(科研費)に採択された。「場面緘黙児・者のセルフ・エフィカシーが治療への参加意欲に及ぼす影響」。研究代表者は長野大学の高木潤野准教授。配分額は2年で403万円。https://t.co/9do7pLYU92

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