著者
山本 和弘
出版者
大阪市立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

平成20年度に引き続き、作成した単結晶ダイヤモンド検出器の性能評価を行った。検出器の構造は、4mm×4mm×0.5mmの単結晶CVDダイヤモンドチップの両面に金でメタライズを施して電極としたシンプルなもので、500Vのバイアス電圧をかけて信号を読み出した。ビームテストとして、京都大学化学研究所の電子線型加速器のビームラインにこの検出器を設置して100MeVの電子を照射し、その応答のデータを収集した。主なビームパラメーターは、エネルギー:100MeV、パルス幅:~60ns、強度:10^8~10^9個/パルス、ビーム径:~6mm、繰り返し周波数:15Hzであった。データ収集システムには、COPPERとMIDASを用い、FADCによりダイヤモンド検出器からの波形データを記録した。信号の波形を見ると100ns弱のパルス幅が得られ、照射した電子ビームのパルス幅とほぼ同程度であった。これはT2K実験のビームバンチ間隔580nsよりも十分小さく、この検出器によってバンチごとのビーム測定が十分可能であることが分かった。次に、電子ビーム強度をJ-PARCメインリング(MR)40GeV, 0.6MW相当までスキャンして信号を取得し、同時に取ったシリコン検出器の応答との比を取ってビーム強度に対する応答の線型性を測定した。結果は、ビーム強度の全領域においてほぼ線型性を保っことが確認され、直線フィットからのずれは1~2%以内に納まった。ただし、ビーム強度の上昇に伴ってずれが大きくなる様子も見えたので、この効果を取り入れるために2次曲線でフィットを行うと、そこからのずれは±0.2%に納まった。次に、電子ビームの強度をJ-PARC MR40GeV, 0.6MW相当に設定して40分間にわたり連続照射し、その間の信号の安定性を見た。その結果、大きな信号の変動は見られず、そのずれは1%以内に納まることが確認された。

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こんな研究ありました:次世代ニュートリノ実験でのミューオンモニター用ダイヤモンド検出器の研究(山本 和弘) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/20039009
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