著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、未だ明らかでない和文ゴシック体成立とその書体が欧文書体とつながりが有るかを考察することである。研究の成果:1)和文ゴシック体成立に関して、最初の和文ゴシック活字書体は、明治19 年(1886)6月1日の官報の外報の小見出しに使われたことが分かった。その官報において、日本の記事と外国の報道を区別する目的があり、和文ゴシック体は、外報の小見出しのためにデザインされた。2)アメリカでの調査により、イギリスで創出されたサンセリフ活字書体は、アメリカでゴシックと命名されたことが分かった。それは、ボストンの活字鋳造所の1832年の活字見本帳に見られる。3)このような活字書体は、アメリカから日本に輸入され、明治9 年(1876)の東京築地活版製造所の活字見本帳に載った。以後、日本語ではこの欧文活字書体をゴシックと呼んだ。4)和文ゴシック体成立とゴシック体との関連性として、当時の外国の官報や新聞で使われた見出しゴシックは、和文ゴシックを生む発想の起源と見なされる。

言及状況

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@sobsin 印刷局のゴシック体、先学が記す通り明一九の官報外報欄が初出と見えますが、カタカナもあったってことに言及する研究は石川先生らの科研費研究 http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/20520110 http://twitpic.com/44401j

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