著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第56回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.G02, 2009 (Released:2009-06-16)

この研究は、アメリカのゴシック体に影響を受けた日本のゴシック体の創出について明確にするものである。欧文書体とタイポグラフィの3名の専門の研究者がこの課題解決に取り組んでいる。山本は、ヨーロッパのサンセリフ体がアメリカに渡りゴシック体と呼ばれるようになった研究をしている。また、後藤は、アメリカの印刷技術が日本の近代印刷技術の礎を築いた研究をしている。石川は、日本語のゴシック体の創出に関する研究をしている。この3つの研究をつなげ、「和文ゴシック体創出と欧文書体との関連性研究」としてまとめたい。 今回の発表テーマは、和文ゴシック体の創出である。
著者
石川 重遠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.41-50, 2002-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
14

本稿では、イギリスの印刷ビラと見出し書体について15世紀後半から19世紀後半までの変遷を考察した。その結果、以下の結論が得られた。1)産業革命以前、印刷ビラの大半は公告ビラであり、それらの見出し書体には、主にオールド・スタイル・ローマン体が用いられていた。2)産業革命期には、広告用印刷ビラの需要が増大した。19世紀初頭に、大型で超特太、モダンで目立つ見出し専用書体が創出された。これらの書体は、好評を博し、イギリスは、見出し活字書体の分野で世界をリードすることになった。3)初期のビラ用見出し書体は、タイプフェイス・デザイナー達に大きな影響を与え、彼等は、新たな見出し書体を多数デザインした。その結果、イギリスでは、独自のタイポグラフィの世界が発展した。そして19世紀中期にイギリスの印刷ビラは、最盛期を迎えることとなった。
著者
石川 重遠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.41-50, 2002-09-30

本稿では、イギリスの印刷ビラと見出し書体について15世紀後半から19世紀後半までの変遷を考察した。その結果、以下の結論が得られた。1)産業革命以前、印刷ビラの大半は公告ビラであり、それらの見出し書体には、主にオールド・スタイル・ローマン体が用いられていた。2)産業革命期には、広告用印刷ビラの需要が増大した。19世紀初頭に、大型で超特太、モダンで目立つ見出し専用書体が創出された。これらの書体は、好評を博し、イギリスは、見出し活字書体の分野で世界をリードすることになった。3)初期のビラ用見出し書体は、タイプフェイス・デザイナー達に大きな影響を与え、彼等は、新たな見出し書体を多数デザインした。その結果、イギリスでは、独自のタイポグラフィの世界が発展した。そして19世紀中期にイギリスの印刷ビラは、最盛期を迎えることとなった。
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.256-257, 2009-06-20

This study is what it clarifies about the creation of the Japanese gothic typeface that was affected by the American gothic typeface. The three specialized researchers of the Latin alphabet typefaces or the typography wrestle with this study. Yamamoto does the study of American "Gothic". Goto does the study that American print technology builted the foundation of the Japanese modern print technology. Ishikawa does a study about the creation of the Japanese gothic typeface. Join these three studies together and want to gather it up as "The relevance study with the Japanese gothic typeface creation and the Latin alphabet typefaces". The theme of this presentation is creation of the first Japanese gothic typeface.
著者
後藤 吉郎 石川 重遠 山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.E09, 2010 (Released:2010-06-15)

この研究は、アメリカや日本の印刷界で使われているゴシックと呼ばれている活字分類の起源を解明する事を目途としている。ゴシックという呼称は、アメリカと日本の両国の活字見本帳で見る事ができる。そもそもゴシック体は、15世のグーテンベルグ聖書で使われたブラックレターを指し示していたが、アメリカでは19世紀のサンセリフ体を使用する時からこのゴシック体という用語を用いていた。William Gambleが中国の教会で印刷家として任を終えてアメリカへ帰る途中、日本へ立ち寄り、印刷技術の商会をしたが、その折にこのゴシックという用語も教えて帰国したのではないだろうか。Gambleとアメリカの活字鋳造所がタイプフェースを誤ってもたらした事と、この仮説をこの研究で明らかにする。
著者
山本 政幸 石川 重遠 後藤 吉郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第56回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.G03, 2009 (Released:2009-06-16)

本考察は、19世紀アメリカで発達したゴシック体活字について、世紀末に23の鋳造所が合併してできたアメリカ活字鋳造会社(American Type Founders Company)の設立過程を追いながら、その特徴を明らかにすることを目的としている。まず、アメリカで最初のゴシック体活字が掲載されたボストン活字鋳造所の1837年の見本帳を実際に検証した後、19世紀後半に小文字やイタリックを加えていった各地の鋳造所の活字見本を追う。次に、合併後に書体デザイン部門や資料図書館を設置して新活字の計画的な生産に取り組んだアメリカ活字鋳造会社の方針を明らかにする。最後に、モリス・F・ベントンの仕事と、彼の設計したFranklin Gothic、Alternate Gothic、News Gothic、Lightline(Gothic)という四つの代表的なゴシック体のデザインの特徴を探る。
著者
山本 政幸 石川 重遠 後藤 吉郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.258-259, 2009-06-20

This study concerns the development of Gothic types in the ninteenth-century U. S. A., focusing on the formation of American Type Founders Company, the biggest type vendor which was consolidated from twenty-three small foundries. It refers the old-taste Gothic types, produced by regional foundries, that aquired lower-case and Italic characters. Then it makes clear the process of amalgamation of foundries into ATF Company which had newly organised type design section. Last it concerns the work of Morris Fuller Benton and his type desgin especially about Gothic types including Franklin Gothic (1902), Alternate Gothic (1903), News Gothic (1908), and Lightline Gothic (1908).
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.E07-E07, 2010

和文ゴシック体は、創出に関して不明なことが多い。本研究において、その書体はいつ出現したかを調査し、その書体の形態についても考察した。その結果、最初期の和文ゴシック体活字は、明治19年6月1日の官報で使用された。官報の編纂や印刷は、国の機関によって行われた。最初の和文ゴシック体は、官製の活字書体で、明治19年あるいはそれ以前に作られたことが分かった。このタイプフェイスは、漢字のみである。さらに明治19年と明治24年から使われた最初期の和文ゴシック体の形について考察した。その2書体の共通した特色は、直線により構成されている。それらは曲線が少ない。また、文字の水平線が傾いており、左右対称の箇所が非対称であるなど、書体としての完成度は高くない。
著者
石川 重遠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.1-8, 1997
参考文献数
34

19世紀初頭のロンドンで誕生した書体「ファット・フェイス」の形態の成立について次のように考察し、まとめた。(1)端物印刷媒体の興隆により、ディスプレイ・タイプとしてファット・フェイス・ジョビング・レターの使用が活発化した。これらの活字書体がより大きく、より太く、目立つ書体として形成されたものがファット・フェイスの基本となった。(2)18世紀には書籍用活字鋳造界のモダンな活字書体の継続的開発が活発に行われた。それらの書体の形態構成要素がファット・フェイス・ジョビング・レターに取り入れられたことは、さらに、ファット・フェイスヘと発展するための重要な形成要素となった。(3)ファット・フェイスは、当初、トランジショナル・ローマン系とモダン・ローマン系の書体があったが、モダン・ローマンの形態を強く受け継いだファット・フェイスがその典型として確立された。
著者
石川 重遠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.17-24, 1995-09-29 (Released:2017-07-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

世界最初の近代的広告用活字書体とされるファット・フェイス出現の要因をそれに直接関わる活字鋳造,印刷,印刷媒体などに探り,下記のように明確化した。(1)イギリスにおいて19世紀初頭には掲示伝達媒体が定着し,ノウティス,ビルが多数使用された。この見出しに訴求力のある大形の書体が求められた。(2)19世紀初頭には世俗的読み物や雑多な端物印刷物の量が増え,見出しやタイトルなどに目立つ,新しい書体が求められた。(3)18世紀後半からフランスを中心としたモダンな新書体活字開発ラッシュと産業革命の革新的環境は,イギリスの端物印刷用活字鋳造家に大きな刺激を与えた。(4)モダン・フェースの特徴を大型活字に取り込み,ファット・フェイスに結晶させたロバート・ソーンの産業革命時代の活字鋳造家にふさわしい創造性と先見性も重用である。
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、未だ明らかでない和文ゴシック体成立とその書体が欧文書体とつながりが有るかを考察することである。研究の成果:1)和文ゴシック体成立に関して、最初の和文ゴシック活字書体は、明治19 年(1886)6月1日の官報の外報の小見出しに使われたことが分かった。その官報において、日本の記事と外国の報道を区別する目的があり、和文ゴシック体は、外報の小見出しのためにデザインされた。2)アメリカでの調査により、イギリスで創出されたサンセリフ活字書体は、アメリカでゴシックと命名されたことが分かった。それは、ボストンの活字鋳造所の1832年の活字見本帳に見られる。3)このような活字書体は、アメリカから日本に輸入され、明治9 年(1876)の東京築地活版製造所の活字見本帳に載った。以後、日本語ではこの欧文活字書体をゴシックと呼んだ。4)和文ゴシック体成立とゴシック体との関連性として、当時の外国の官報や新聞で使われた見出しゴシックは、和文ゴシックを生む発想の起源と見なされる。
著者
生田目 美紀 石川 重遠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.228-229, 2000

Owing to better circumstances for making new Japanese fonts through the computef, the number of Japanese fonts has increased, and also the number of categories into which Japanese fonts are classified has increased. But we have no methods of choosing suitable one according to imagery of them. So we have the research on the image of the shape of Japanese fonts. It is necessary to use suitable fonts for the design works. The results of this research show that the image of Japanese font can be classified with three points. They are Sex, Refinement, Power and Weight. We will be able to add some image keywords (or something) on a catalogue that can be used for choosing Japanese fonts, in the future.
著者
石川 重遠 生田目 美紀
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 46
巻号頁・発行日
pp.56-57, 1999-10-15 (Released:2017-11-08)

This research has three purposes. The first one is to research and classify the Japanese fonts now available in order to list them in a specimen that can be used for choosing fonts for printing and such. The second purpose is to make a comparison between the new classifications and conventional ones. The third purpose is to add new categories from digital fonts that are newly put into use to the conventional one. The resuls of this research show that the number of Japanese fonts has increased, and also that the number of categories into which Japanese fonts are classified has increased.