著者
宮下 敏恵 北島 正人 森 慶輔 西村 昭徳
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

小・中学校教師におけるバーンアウト尺度の因子構造については、小学校、中学校ともに3因子構造が適切ではないかという結果がみられた。小学校、中学校の教諭においては、個人的達成感の後退が著しく進んでおり、脱人格化得点もやや高いという結果が得られた。学校現場においてメンタルヘルスの悪化は深刻だといえるだろう。その中でも小学校よりも中学の教諭の方がバーンアウト得点は高いという結果がみられた。また教職経験年数により、バーンアウトの進行が異なるという可能性が示唆された。若手教師は情緒的消耗感から進行し、脱人格化、個人的達成感の後退というプロセスを進むという結果が示された。中堅以降の教師は個人的達成感の後退がバーンアウトプロセスの始発点になり、脱人格化、情緒的消耗感と進むという結果が示された。バーンアウトの予防を考える際には教職経験年数を考慮に入れたモデルを考える必要があるといえる。バーンアウト予防の介入のためには、教職経験年数に応じて、教師自身が多忙な中で自分自身の状態をチェックし、どう対応したらよいか振り返ることが必要ではないかと考えられる。バーンアウト低減のためにパソコン上で簡単にチェックでき、結果を振り返ることができる予備的プログラムを作成した。本研究は小・中学校のバーンアウト尺度の因子構造を明らかにし、教師におけるバーンアウトのプロセスを明らかにしたという点が画期的である。さらにバーンアウト予防の介入のために、予備的プログラムを作成したことから、今後バーンアウトのプロセスモデルを精緻化していくことによって、バーンアウトの予防が可能になると言える

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こんな研究ありました:小・中学校教師におけるバーンアウトのプロセスモデルの検討及び予防的介入(宮下 敏恵) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/20530626

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