- 著者
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梅村 浩
川平 友規
- 出版者
- 名古屋大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
(1)ガロア理論の同値性。一般微分ガロア理論には、Malgrange 理論(2001)と研究代表者によるもの(1996)がある。 前者は幾何学的であり、後者は代数的である。 代数的にジェット空間のなす Lie groupoid を構成することにいより、 両者が同値の理論であることを示した。(2)差分ガロア理論の提唱とその力学系への応用。差分方程式の一般ガロア理論を構成した。それを閉リーマン面上の離散力学系に応用して、閉リーマン面上の力学系でガロア群が有限次元であるものを決定した。 それらの力学系のガロア群は可解であるので、閉リーマン面上の離散力学系で可積分なものを決定したと言ってもよい。(3)ガロア理論の量子化。研究代表者の学生であった F. Heiderich は我々の一般ガロア理論が微分方程式や差分方程式のみならず、 一般の Hopf 代数の作用に関する関数方程式にまで拡張できることを発見した。この理論を具体的に意味付ける研究を開始し、成果を上げ始めている。