著者
具志堅 伸隆
出版者
東亜大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、一般の人々が抱く「素朴なスピリチュアリティ的信念」の存在について、実証的な検討を行い、その適応的な機能を検証することであった。一般人向けの書物の内容を検討することによって、素朴なスピリチュアリティ的信念を構成する次の7種類の概念を特定した。1.「肉体を超越した魂の存在・魂の永続性」、2.「因果応報の原理」、3.「心的イメージの現実化」、4.「神による守護や導き」、5.「天命・宿命」、6.「輪廻」、7.「神の存在」、である。さらに、それらを測定する質問項目を作成し、量的な調査を実施した。その結果、「魂の永続性」、「輪廻」、「神の守護」といった因子の他、「人生が"超自然的な力"によって秩序づけられている」こと、「その力は公正であり、正しいことを行う人間に幸せをもたらす」ことを意味する内容の項目群からなる「摂理」因子が抽出された。重回帰分析の結果、これら4因子のうち、「摂理」因子が精神的健康の指標となる主観的幸福感や自尊感と正の関係にあることが明らかとなった。

言及状況

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.@NorichikaHorie さんご紹介の具志堅伸隆さんの論文および基となった科研報告書https://t.co/W3eFsxvfVo を読んだ。300冊の選定のしかたが興味深い。それらから6種の概念が抽出された過程をもっと詳細に読みたいと思った(研究の本題ではないらしい)。

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